Project/Area Number |
20H03866
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57030:Conservative dentistry-related
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
北村 知昭 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (50265005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲尾 絢子 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10582786)
田畑 泰彦 京都大学, 医生物学研究所, 教授 (50211371)
池田 弘 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (80621599)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥18,070,000 (Direct Cost: ¥13,900,000、Indirect Cost: ¥4,170,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2020: ¥9,230,000 (Direct Cost: ¥7,100,000、Indirect Cost: ¥2,130,000)
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Keywords | バイオセラミックス / バイオアクティブガラス / ゼラチン・ハイドロゲル / 根尖歯周組織 / 再生療法 |
Outline of Research at the Start |
根尖歯周組織に生じた大きな病変(骨欠損)は本来の骨組織へと回復せず瘢痕化しやすい.これまでに申請者らは生体活性バイオセラミックスBioactive Glass(BG)を配合した歯科用生体材料の開発を進めており,成果の一部は根管充填用材料として既に臨床応用されている.本研究では,申請者らの研究をさらに発展させ,BGと生体吸収性バイオセラミックスであるβTCPから両者の特徴を併せ持つBG-βTCP複合粒子を作製し,ゼラチン・ハイドロゲルと組み合わせた根尖歯周組織再生用生体材料を開発することを目的としている.本研究で得られる成果は歯科領域のみならず医科領域の硬組織再生療法にも応用可能である.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目標は,骨再生用スキャフォールドとして応用可能な新規生体材料を開発し根尖歯周組織等に生じた骨欠損部の再生療法を確立することにある.これまで申請者らはBioactive Glass(BG)配合生体材料の開発を進めており,その成果の一部はBG配合根管用シーラーとして臨床応用されている.本研究では,BG配合生体材料の開発をさらに発展させ,生体活性バイオセラミックスであるBGおよび生体吸収性バイオセラミックスであるβTCPから両者の特徴を併せ持つ粒子(BG-βTCP複合粒子)を作製し,成長因子徐放能を有するゼラチン・ハイドロゲルとBG-βTCP複合粒子を組み合わせたBG-βTCP複合粒子配合スキャフォールドを開発することを目的としている. 2021年度および2022年度はBG-βTCP複合粒子を作製し性能検証を開始した.分担研究者・池田の独自技術を用い,BGとβTCP粒子粉末を所定の比率(1:1,2:8,8:2)で混合後,3種類の焼結温度(900度,600度,400度)でBG-βTCP複合粒子を作製し,各複合粒子の抽出液と各種細胞(ヒトセメント芽細胞等)を用いて細胞毒性をBG単独と比較したところ,600度で焼結した複合粒子の細胞毒性が他と比較して低いことが明らかになった. 加えて,同時進行で,BG-βTCP複合粒子の作製自体で困難な問題点が生じる可能性を考慮して多孔質ケイ酸カルシウム粒子の作製を進めている.作製した多孔質ケイ酸カルシウム粒子についてはXRD解析,SEM-EDX観察などで多孔質形状を有していること,細胞毒性試験で毒性が低いことを明らかにした.また,硬組織形成能を評価することを目的として,象牙芽細胞様細胞株,骨芽細胞株などを用い検証を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在実施しているのは,生体活性バイオセラミックスであるBioactive Glass(BG)および生体吸収性バイオセラミックスであるβTCPから両者の特徴を併せ持つ粒子(BG-βTCP複合粒子)の試作と性能検証である.試作では,分担研究者・池田の独自技術を用い,BGとβTCP粒子粉末を所定の比率(1:1,2:8,8:2)で混合後,3種類の焼結温度(900度,600度,400度)でBG-βTCP複合粒子を作製し,各複合粒子の抽出液と各種細胞(ヒトセメント芽細胞等)を用いて細胞毒性をBG単独と比較したところ,600度で焼結した複合粒子の細胞毒性が他と比較して低いことが明らかになった. 2021年度末のCO2インキュベーターの故障・新規購入が当該機器生産の遅れによって2022年度初頭となったため,若干の時期的なずれが生じたが当初に予定していた進行度合はおおむね達成しているため,自己点検による評価としてはおおむね進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策は以下の通りである. 2023年度は,各複合粒子の結晶化と微細構造をXRDとSEM-EDXで分析するとともに,ICP発光分析を用いた各種イオンの溶出挙動分析により材料学的評価を行う.また,同時進行で作製した多孔質ケイ酸カルシウム粒子についてもXRD解析,SEM-EDX観察,ICP発光分析を行う.加えて,各種細胞の硬組織形成能への影響を含めた生物学的評価を継続する.さらに,各粒子配合スキャフォールド(各粒子配合ゼラチンスポンジ)を研究分担者・田畑が開発した方法により作製する.概要としては,3wt.%ゲル(等電点5,分子量10万)水溶液を攪拌後,各粒子(10-50wt.%の各割合)を加えて攪拌し,凍結乾燥後に140度で一定時間熱脱水架橋処理することで複数の各粒子配合ゼラチンスポンジを作製する.その後,材料学的評価としてSEMによる形態観察と細孔径計測,圧縮強度測定,スポンジ分解性評価,XRDによるハイドロキシアパタイト結晶分析,吸光度測定によるFGF2徐放性分析を行う.本研究では,2022年度までにBG粒子単独配合したゼラチンスポンジについては作製を完了しin vitroおよびin vivo実験系にて有用性を明らかにしている.同様の実験手法にて各粒子配合ゼラチンスポンジを検証する.同時進行で,既存のバイオセラミックス配合セメントの機能向上を目的に,BG-βTCP複合粒子,BG組成を変更して溶出イオン量を改変した新規BG粒子,多孔質ケイ酸カルシウム粒子を配合したセメントを試作し,pH測定,構造分析,ハイドロキシアパタイト結晶分析により検証する.
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