Project/Area Number |
20H04059
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
|
Research Institution | Fukuoka International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
光武 翼 福岡国際医療福祉大学, 医療学部, 講師 (00779712)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 麻衣子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (10720196)
中薗 寿人 福岡国際医療福祉大学, 医療学部, 講師 (70814771)
岡 真一郎 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 助教 (30637880)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥16,510,000 (Direct Cost: ¥12,700,000、Indirect Cost: ¥3,810,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2020: ¥12,220,000 (Direct Cost: ¥9,400,000、Indirect Cost: ¥2,820,000)
|
Keywords | ノイズ前庭電気刺激 / 姿勢安定性 / 脳機能 / 前庭脊髄反射 / 姿勢制御戦略 / 身体制御反応 / 前庭動眼反射 / 感覚戦略 / ライトタッチ / 筋活動 / 関節運動 / 機能的磁気共鳴画像法 / 脳活動 / 前庭眼反射 |
Outline of Research at the Start |
転倒による機能障害は,著しく日常生活能力を低下させる原因となり,その結果,介護負担が大きくなってしまうことが予測される.つまり,転倒を予防するための効果的な介入方法が必要である.近年,ノイズ前庭電気刺激はバランス能力の改善に有効な手段として報告されているが,反射機能,脳機能を含む多視点からの定量的評価やそのメカニズムの解明は行われてこなかった. 本研究の目的は,脳機能(脳血流動態反応),反射機能(前庭眼反射),身体機能(姿勢安定性)の側面からノイズ前庭電気刺激の姿勢制御機能への応答を検証することで,神経学的メカニズムを明らかにすることである.
|
Outline of Annual Research Achievements |
ノイズ前庭電気刺激(nGVS)は耳後部へ電気刺激することで非線形の入力信号による確率共鳴現象を引き起こすことが示唆されている.これによって,前庭神経核を含む前庭関連神経ネットワークを賦活し,姿勢制御機能を改善させる可能性がある.nGVSの介入効果を検証することで,転倒予防に対して効率的且つ効果的な介入方法を確立できるかもしれない。本研究課題の目的は,nGVSが脳活動や前庭関連反射機能,身体パフォーマンスに及ぼす影響を多角的に検証することである. これまでの研究に関して,2020年度では機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いてnGVS時の脳血流動態反応を解析し,両側島周辺領域の活動性増大を示した.2021年度は三次元動作解析装置と表面筋電計を用いて前庭覚が優位な姿勢条件である柔らかい床上での閉眼立位で,nGVS時に足関節角速度が減少するとともに前脛骨筋の筋活動の減少が認められた.2022年度はvideo head impulse test(vHIT)を用いてnGVS時の前庭動眼反射(VOR)機能の変化を定量的に計測した.さらに,小脳片葉領域も前庭神経ネットワークに関連することから,小脳経頭蓋直流電気刺激(ctDCS)とnGVSを併用した刺激条件による姿勢安定性及びVORの変化を検証した.その結果,nGVS条件では柔らかい床上での閉眼立位時に足圧中心の減少が認められた.一方,vHITによるVORはnGVSやctDCSによる変化が認められず,介入方法や計測方法の再検討が必要である. 姿勢制御研究として,感覚戦略の一つである体性感覚に焦点を当てた調査研究も実施した.歩行時に受動的対人ライトタッチが歩行速度や筋活動,身体動揺,関節運動を含む詳細な身体制御反応変化を検証した.接触提供者が接触受信者の背部に接触する受動的対人ライトタッチは歩行速度を向上させるとともに頸部の動揺を減少させた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度はノイズ前庭電気刺激(nGVS)と小脳経頭蓋直流電気刺激(ctDCS)の併用が柔らかい床上での閉眼立位時に足圧中心変動(COP)と前庭動眼反射(VOR)に及ぼす影響を計測した.コロナウイルスが蔓延している社会情勢の中,2021年度は一定期間,研究自体が滞る時期もあった.そのため,2022年度は研究補助員に協力していただき,複数名で実験体系を構築することで概ね順調に進展した. この実験は研究分担者とオンラインによる研究会議を行うことで,より理論に沿った研究デザインを構築した.nGVSとctDCSの同期設定や経頭蓋電気刺激を行いながらVORを計測する実験環境の構築に難渋したものの,本研究の進捗状況はデータ計測,解析が完了し,現在論文を執筆している最中である. 受動的対人ライトタッチ研究に関しては,2021年度に三次元動作解析装置を用いて実験した経緯があり,その応用的研究として位置付け,円滑にデータ計測,解析を完了し論文を執筆した。 また,2023年度に行う予定にしているnGVSが前庭脊髄反射(VSR)機能に及ぼす影響を明らかにするために,nGVS時にヒラメ筋H反射を計測する実験の構築を進めている.このVSR研究は2021年度の実験計画段階では昨年度に実施予定であったが,nGVSの刺激波形の作成や実験機器の準備,使用方法の確立,経頭蓋電気刺激装置とニューロパックの同期などに時間を費やしたためVOR研究を先行させた.年度ごとの実験計画を変更したが,VSR研究のプロトコル構築に時間を費やすことができたため,本研究課題としては全体を通じて滞りなく実験を進めることができている.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画として,ノイズ前庭電気刺激(nGVS)が前庭脊髄反射機能に及ぼす影響を検証していく.まずはGVS時のヒラメ筋H反射を計測するための電気生理学的手法を確立するとともに,実験プロトコルを構築していく.2022年度から実験環境を調整しており,一部のプレデータを計測した.2022年度の研究計画では,nGVS実施前後にgalvanic vestibular stimulation時のH反射を計測する予定であったが,H反射計測時に使用できるnGVS波形を作成できたため実験デザインを変更している.これによって,nGVSが前庭脊髄路に及ぼす影響を直接評価できるため,よりnGVSの介入効果を定量的に検証できる.nGVS波形は効果的なホワイトノイズに限定して作成しており,実際に刺激時のH波をニューロパックで計測できる環境は整っている.しかし,肢位に関しては腹臥位と立位で波形反応が異なるため検討の余地があり,早急に実施方法を確立していく. これらを考慮して,2023年度の上半期には実験デザインを確立して本データ計測を行い,下半期にはデータ解析,論文執筆を行っていく.実験自体が滞らないように複数名の研究補助者に協力を依頼し,イレギュラーが生じた場合でも対処できる実験体制を築く.これまで同様に実験を円滑に進めるための準備を怠らず研究を展開していく. 昨年度まではnGVSが脳活動,身体制御反応,前庭動眼反射機能に及ぼす影響を検証してきた.2023年度には電気生理学的手法を用いて前庭脊髄反射機能を計測する.以上のことから,脳活動,反射機能,身体パフォーマンスの多角的視点からnGVSの効果検証を進めており,転倒を予防するための姿勢安定性向上に有効な手段となり得るのか総括していく.
|
Report
(3 results)
Research Products
(18 results)