Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
量子計算機による暗号解読にも耐性のある耐量子計算機暗号(Post-Quantum Cryptography)の有力候補である格子暗号の安全性は、格子上の最短ベクトル問題(SVP, Shortest Vector Problem)や最近ベクトル問題(CVP, Closest Vector Problem)などの格子問題の計算困難性に基づく。本研究課題の集大成として、本年度はこれまでに開発した格子問題に対する求解アルゴリズムの大規模並列化フレームワークを利用して、SVPチャレンジの求解実験を行った。具体的には、高いブロックサイズを利用した格子基底簡約であるDeepBKZ2.0を開発し、大規模並列化フレームワークに組み込んだ。特に、省メモリを実現するために、50~70次元の射影格子上の最短ベクトル探索に対して、列挙法アルゴリズムを採用した。また、九州大学が保有するスーパーコンピュータシステムITO上でSVPチャレンジの求解実験を行った。特に、130次元のSVPチャレンジに対しては、4608並列プロセスで平均5時間程度で求解可能であることを実証した。この求解時間は理論的な見積もりと大きな差異がなく、今回開発したSVP求解システム上で、並列化による高速化が十分得られることが実証できた。これらの大規模並列化システムの設計・開発からSVP求解実験データに関する研究成果は、論文集Mathematical Foundations for Post-Quantum Cryptographyに掲載されることが決定している。また、耐量子性を持つ格子暗号方式の安全性を支えるLWE問題やNTRU問題に対する解読法に関する研究まとめについても同じ論文集に掲載される予定である。
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