Research on intention inference by abduction based on recursive combination and embodiment
Project/Area Number |
20H04256
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61040:Soft computing-related
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
橋本 敬 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (90313709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 次郎 京都産業大学, 情報理工学部, 教授 (80384725)
外谷 弦太 帝京大学, 先端総合研究機構, 研究員 (70847772)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
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Keywords | 意図推定 / アブダクション / 再帰的結合 / Embodied Simulation / 身体情動反応 / 人間エージェント相互作用(HAI) / 概念融合 / 感情 / 道徳的判断 / 皮膚電気反応 / プレイ / 意図共有 |
Outline of Research at the Start |
人間はコミュニケーションにおいて他者の意図を推定できる。この意図推定は、仮説生成と仮説選択からなるアブダクション(最良の仮説を推定する推論)であり、仮説生成は運動レパートリーの再帰的結合により、そして、仮説選択は身体によるシミュレーションと身体情動反応の情報により為される、という仮説を提案する。この仮説を、人間エージェント相互作用、プライミング、言語進化の3つの実験により検証し、仮説と実験結果に基づいたアブダクションの計算モデルを構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「他者の意図推定はいかに可能か」という問いに対して、「意図推定は仮説生成と仮説選択からなるアブダクションであり、仮説生成は目的手段連関の再帰的結合により、仮説選択は身体化シミュレーションと身体情動反応という身体性により為される」という仮説を実証・精緻化することである。 エージェントの意味不明な言動に対して意図推定などの思考が喚起され対象が心を持つ存在と見る傾向が生じるかどうかを検討するため、再帰的結合と関連する概念融合を促すロボットとの対話を提案しその思考への効果を検証した。無関係に思える2つの言葉をロボットから参加者に提示し、その言葉の意味を考えさせる概念対話、共通点を考えさせる共通対話、統合した概念を考えさせる融合対話を比較し、共通対話と融合対話で思考が刺激されロボットを心を持つ存在と見やすいことを示した。融合対話は「こう考えれば意味不明な複数の概念をまとめることができる」という仮説思考を喚起させ、再帰的結合と仮説形成を結び付けると考えているが、共通対話も思考の喚起の効果があった。 再帰的結合が仮説生成に関わることを示すための実験のデザインを進めた。具体的には、カップ重ねのようなイメージ操作、あるいは、単語を様々な順で結合させて階層的曖昧性を持つ複合語の意味を考えさせる課題により、再帰的結合あるいは非再帰的結合の思考を訓練し、両訓練が他者意図に関して生成される仮説文の性質にどう影響するかを分析するものである。 仮説選択を担うと考えられる身体性基盤を検討するため、感情状態弁別の機械学習手法および感情の脳ネットワークの表現の検討を進めた。また、道徳的意志決定という他者の意図が関わる問題と身体性の関わりを検討するために、道徳ジレンマ課題で皮膚電気反応を計測する実験デザインと予備実験を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の柱を為す以下の3点は人を参加者とする実験が含まれるが、コロナ禍により実験の準備が遅れた。(A)意図推定にアブダクションが関わることを示す人間エージェント相互作用実験、(B)再帰的結合が仮説生成に関わることを示す実験、(C)身体性と仮説選択の関係を調べる実験)しかし、概念融合に係わる人ロボット相互作用実験(A)の実施・分析、および、情動反応に係わる道徳ジレンマ課題の実験(C)のデザインと予備実験を実施した。また、再帰的結合の訓練と他者意図の仮説生成の関係を調べる実験をデザインできた。
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Strategy for Future Research Activity |
意図推定に関する提案仮説の主要部分について、人を対象としたいくつかの実験により実証的証拠を積み上げ、仮説と実験結果に基づいた計算モデルを構築・分析する。具体的には以下の実験と分析を進める。1)矛盾していたり単純に意味が取れなかったりするような発話(2つの言葉の説明)により、アブダクションに関係する概念融合思考が喚起され、対象が心(意図)を持つ存在であるとみなす程度が上がるという人間エージェント相互作用実験で、2つの概念の共通点を考えさせる共通対話と2つの概念を統合させる融合対話の間で、どのような思考の喚起の効果が違うのかを詳しく分析する。2)LEGOブロックを用いた共創的コミュニケーション実験で、再帰的結合をする場合としない場合に仮説生成を含む創造性がどのように変化するかを実験的に検討し、再帰的結合が仮説生成に関わることを示す。3)思考における再帰的結合・非再帰的結合の訓練が他者意図に関する仮説生成とどう関係するかを検討する実験をデザインしたので、この実験の実施と分析を進める。また、可能であれば仮説の選択に関わる身体状態の計測に進める。4)仮説選択を担うと考えられる身体性基盤を検討するため、道徳ジレンマ課題で皮膚電気反応を計測する実験の実施と分析を進める。 そして、これらの実験の結果に基づき、これまで進めてきた再帰的結合の計算モデルを発展させ、物体操作およびその対象の抽象化として、目的手段レパートリーの再帰結合による仮説生成、それによる他者の意図推定やメンタルシミュレーションを可能とする計算モデルを開発する。 上記研究の成果を、国内学会、国際会議、およびジャーナルにおいて発表する。
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Report
(2 results)
Research Products
(37 results)