Project/Area Number |
20H04258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61040:Soft computing-related
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
香取 勇一 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (20557607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田向 権 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (90432955)
森江 隆 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 特任教授 (20294530)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | レザバー計算 / ニューラルネットワーク / 人工知能 / 機械学習 / 脳型人工知能 / 感覚情報処理 / 運動制御 / 脳型情報処理 |
Outline of Research at the Start |
超立方体上の疑似ビリヤード・ダイナミクスを用いた計算機構(「超立方体計算」と呼ぶ)は、人工知能、機械学習、ニューラルネットワークなど多様な情報処理の基盤になる枠組みで、これまでにない超高速・超省電力のハードウェアを実現するアーキテクチャである。本研究申請では、①情報処理に有効なネットワーク構造・学習機構の構築により、超立方体計算の理論を確立する。②超立方体計算を集積回路に実装し、その効率的な回路構成法を確立する。③超立方体計算を基に、センサー情報処理、アクチュエータ制御、行動計画のシステムを構築し、その実用性を明らかにする。本研究により、新しい情報処理プラットフォームの構築に道筋をつける。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,超立方体上の疑似ビリヤード・ダイナミクスを用いた計算機構(超立方体計算)について,応用先の探索を進め,実装研究に着手した.特に予測符号化とレザバー計算を組み合わせた感覚情報処理モデル,強化学習とレザバー計算を組み合わせた運動制御モデル,またレザバー計算に基づく感覚情報処理と運動生成を組み合わせた統合情報処理モデル,さらにこれらのモデルを超立方体計算の枠組みに実装する研究を進めた. まずレザバー計算に基づく強化学習と予測符号化のモデルを統合した統合情報処理モデルを提案した.このモデルでは,感覚入力の予測と行動価値の推定を単一のレザバーからの読み出しにより行う.行動価値の学習は報酬に基づき行われる.また予測層の学習は予測の最小化の基準に基づいて行われる.このモデルは,強化学習タスクに利用できることに加えて,予測符号化により環境の変化を予測するメンタル・シミュレーションを実現する.このメンタル・シミュレーションによる行動計画の機構を2次元ロボットシミュレータ環境上で検証し,その有効性を確認した. 効率的なレザバーハードウェアの実現が見込まれる超立方体計算レザバーをデジタル回路(FPGA)で実装し,その性能評価を行った.まず音声認識タスクにより,このレザバーの性能評価を行った.このタスクでは,数字の発話音声の時系列をコクリアグラムに変換し,それをレザバーへの入力とした.レザバーからの読み出しにより,0~9の数字に対応をするラベルを出力する.この数字の発話認識において認識性能が97%程度になることを確認した.さらにレザバー強化学習モデルを実装し,その評価を進めた.連続空間上の移動ロボットタスクにおいて,その基本的な動作の確認を行うことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
様々なネットワークモデルを構築し,その有効性を確認することが出来た,また基本的なハードウェア実装も進めることができたため,研究は順調に進展しているといえる.今後の課題は,実問題・実応用に含まれる問題の複雑さ難しさに対応するための詳細な検証となる.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は,超立方体計算の理論・応用・実装の各側面でさらに研究を深化させると同時に,それらを融合し,研究を総括する. 超立方体計算の理論では,記憶容量を大きくするための理論モデルの再構築と数値シミュレーションによる検証を進める.レザバー計算を中心とする情報処理の拡充と性能を明らかにする.ネットワーク構造やレザバーの持つパラメータとレザバーの性能の対応関係を解析する. 応用では,これまでに構築した感覚運動制御用ネットワークをさらに発展させる.強化学習のネットワークモデルを構築し,各種タスクに応用しその性能を明らかにする.また心的シミュレーションによる学習効率化と行動計画のモデルの精緻化を行う.ここで実環境における情報処理のための見積もりを立て,得られた知見を実機のロボットなどの開発に反映させる. デジタル集積回路(FPGA)を用いて,必要な情報処理を実現するための数値表現の精度や非線形関数の近似精度を調べる.またネットワーク構造や諸パラメータ値の設定について最適な値を見積もる.また構築したロボットに搭載して活用することができる.さらにアナログ回路による超立方体計算の実装と応用も進める.
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