Project/Area Number |
20H04410
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
森本 泉 明治学院大学, 国際学部, 教授 (20339576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 雅子 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (00591843)
佐藤 斉華 帝京大学, 文学部, 教授 (10349300)
SHRESTHA TINA 早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (10832470)
藤倉 康子 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携研究員 (20773782)
名和 克郎 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (30323637)
橘 健一 立命館大学, 政策科学部, 非常勤講師 (30401425)
南 真木人 国立民族学博物館, 超域フィールド科学研究部, 教授 (40239314)
KHAREL DIPESH 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 客員研究員 (50785102)
高田 峰夫 広島修道大学, 人文学部, 教授 (80258277)
藤倉 達郎 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (80419449)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
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Keywords | ネパール / 移動 / 移民 / 地域研究 / 在日ネパール人 / 労働 / ジェンダー / アイデンティティ / COVID-19 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,移民送出し国となったネパールを起点に,日本を含む世界各地に展開するネパール人社会を対象に現地調査を実施し,現状を把握するとともに,これらの地域を繋ぐ人々の移動の連鎖・多元化の過程と,直接的間接的に相互連関するネパール人社会の動態を明らかにすることを通じて,ネパール移民がかたちづくる地域像を複数地点から立体的に提示することを目的とする。 この作業を通じて,ネパール国外で暮らすネパール移民を対象とした研究と,ネパールで行われてきたネパール研究とを再接合することを試み,その再接合の結果が,移動が常態化した21世紀に相応しい地域研究の一つのあり方を提示するものになることをも目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、世界各地に展開するネパール人社会と、ネパール人移民の出身地を、移動の過程と移民が繋ぐ複数社会の相互連関に着目して、地理的領域としてのネパールを越えるネパール地域研究を実践すると同時に、移動が常態化した21世紀に適した地域研究の在り方を提起することであった。4月の時点では国外で現地調査を行う研究計画を立て、その準備を進めてきたが、2021年度もCOVID-19感染拡大防止のための移動規制が続いたため、前年度に引き続き主に文献・統計資料調査を行った。 他方で、国内の移動規制は緩和されてきたので、在日ネパール人を対象とした調査を進められるようになった。コロナ禍前後で移動がいかに変容したのか、移動が常態化した人々が移動規制という非日常をいかに過ごしているのか、いかなる困難に直面しているのかを明らかにするために現地調査を行い、ネパール人人口の多い194の国際交流協会を対象にアンケート調査を実施した。 在日ネパール人を対象とした研究実績の一部は、第3回研究集会(2021年8月)及び第4回研究集会(2021年12月)で共有し、雑誌『地理』(67-3号 2022年2月発行)の特集記事「在日ネパール人の暮らし」(森本泉、田中雅子、藤倉康子、佐藤斉華、Tina Shrestha、藤倉達郎、橘健一)として発表された。 第5回研究集会(2022年5月)は上述の特集の総括と上述のアンケート調査結果を検討し、同年8月に行った第6回研究集会では、班員のDipesh Kharel氏(Kharel氏制作のドキュメンタリー「JAPANI」(在日ネパール移民の家族が抱える問題))と、英国エジンバラ大学のJeevan Sharma氏(Suffering of Nepali Migrants: some thoughts on precarity)の研究報告をもとに議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度に再計画したものの引き続きCOVID-19感染拡大防止による移動規制で遂行できなかった国外での現地調査は、2021年度も遂行することができず、2022年度まで待たねばならなかった。その結果、2021年度予算で計画していた現地調査も2022年度に繰り越され、予備調査と本調査を並行して実施することになった。予定していた調査の大半は実施することができたが、一部の現地調査がインフォーマントとの日程調整があわず翌年に延期する判断をせざるを得なかった。しかし、予算の繰り越しが認められず、未完の調査となってしまった。以上から、「(3)やや遅れている。」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況で述べたように、2021年度研究計画で予定していた一部の現地調査が実施できなかった。未完の調査となってしまったのは残念だが、班員は、コロナ禍に起因する想定外の出来事に遭遇しつつも、それぞれ研究を進めている。 今年度も前年度に引き続き現地調査(本調査)を進め、並行して研究成果をまとめ、少しずつ発表していく予定である。まず、9月に行われる南アジア学会にはパネル報告「ネパールの人々の移住経験:彼/彼女らは何を『選択』しているのか?」(森本泉、藤倉康子、Tina Shrestha、田中雅子、佐藤斉華)に応募している。また、本研究の総括をする今年度は、3回研究集会を開催してそれぞれ作成した草稿を検討しあい、出版に向けて準備する予定である。
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