Project/Area Number |
20H04419
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
増田 一夫 東京大学, 大学院総合文化研究科, 名誉教授 (70209435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊達 聖伸 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90550004)
原 和之 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00293118)
藤岡 俊博 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (90704867)
森山 工 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70264926)
尾玉 剛士 獨協大学, 外国語学部, 准教授 (60751873)
小門 穂 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 准教授 (20706650)
佐藤 朋子 金沢大学, 外国語教育系, 准教授 (70613876)
園部 裕子 香川大学, 経済学部, 教授 (20452667)
長谷川 まゆ帆 立正大学, 文学部, 教授 (60192697)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥16,120,000 (Direct Cost: ¥12,400,000、Indirect Cost: ¥3,720,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | カップル / 同性婚 / 家族 / 子ども / 生殖補助医療 / フランス / 結婚 / 家族形成 / 生命倫理 / 両性の平等 / 親子関係 / ジェンダー平等 |
Outline of Research at the Start |
フランスでは2013年に同性婚が合法化された。それに対して、カトリック教徒などが「人類学的断絶」であるとして反対運動を起こした。確かに、その出来事は変化の到達点ではなく、同性親、生殖補助医療のさらなる活用、新たな家族形成への動きを促すものであった。 本研究は、同性婚とそれに伴う生命倫理法の改正を一体として取り上げ、変化を可能にした諸条件を18世紀後半以降の長期持続、20世紀後半以降の短期持続の両面から、歴史学、社会学、法学、宗教学、思想、人類学、精神分析等の学際的な言説を通して考察する。また、とりわけ20世紀後半以降の結婚をめぐる上記言説自体を分析し、併せて知の状況も考察する地域研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
第2年度である2021年度は、初年度の成果を踏まえたうえで、主に以下の4本の軸を中心に考察しつつ研究を進めた。 (1)生命倫理法関連の最新の動向を探って新たに提起された問題を確認し、同性婚と生命倫理をめぐる政治家や政党の姿勢を確認する。(2)精神分析や哲学の視点から、家族観、父親像がそれぞれのディシプリンにおいていかに変化したか、子どもの性アイデンティティをめぐってどのような考察が展開されたかを考察し、(3)歴史的な視点からフランスにおける女性と子ども、両性の平等、結婚をめぐるカトリックとライシテといったテーマをたどった。(4)文化人類学が語る結婚と家族の多様性のなかに現代フランスの結婚と家族を位置づけ、主に西アフリカ系移民の視点からホスト社会の結婚と家族を考えた。そのうえで、それぞれの軸を総括するかたちで、カップル、結婚、家族形成の諸相を総合的にとらえ、そこに浮かび上がるフランス的特性を分析した。 これらの作業の成果については、メンバーの進捗状況を報告する形で、オンライン方式による研究集会にて発表した。また、海外の研究者を囲む研究集会を通じて新たな知見をチーム全体で共有するように努めた。 他方で、それぞれのメンバーは国内外の、主にオンライン方式による研究集会において意見交換や発信をおこなった。 まだコロナ禍のため渡航しての研究集会参加および意見交換は容易ではなかったが、状況改善を視野に入れて、研究者の招聘、派遣も準備している。コロナ禍の影響で、一部課題を2022年度へと繰越した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初はコロナ禍の状況改善を期待し、より積極的な派遣や招聘を考えていた。思惑が外れ、その面での計画実現が不可能になった点は否定できない。しかし、派遣や招聘という形はとれなかったものの、フランスと結ぶ遠隔方式の研究会を組織し、質の高い意見交換を実現して、研究を進めるために十分な情報を得ることができた。 全体として知見の共有をはかりながら、それぞれの担当分野で研究を進めている。進展ゆえの新たな発見をしながら、研究を続行している。研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の全体的な輪郭がよりはっきりとし、全体との関係でそれぞれのメンバーが追及すべきテーマがより明らかになってきた。基本は、これまでの研究会における報告と討論が中心となる。それに加えて、内外の研究者を招き、課題に対するより完全な視点を確保する。 また、研究が進むにつれて、わが国の状況をより正確に把握する必要が感じられるようになった。日仏では、家族と社会のあり方、同性婚をめぐる議論のあり方、親権のとらえ方などに少なからぬ相違があるからである。それをふまえて、より深い比較対照を試みてゆく。 コロナ禍の様子を見ながら、研究者の派遣および招聘を実現し、資料調査、意見交換などのさらなる充実をはかることにする。それらを通じて研究のさらなる進展が期待できる。
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