Project/Area Number |
20H05617
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Research Category |
Grant-in-Aid for Specially Promoted Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Humanities and Social Sciences
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
馬塚 れい子 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 客員主管研究員 (00392126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 弘 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50274030)
窪薗 晴夫 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 客員教授 (80153328)
小磯 花絵 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 教授 (30312200)
下郡 智美 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (30391981)
辻 晶 東京大学, ニューロインテリジェンス国際研究機構, 連携研究者 (30850490)
田中 章浩 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (80396530)
北原 真冬 上智大学, 外国語学部, 教授 (00343301)
石原 尚 大阪大学, 大学院工学研究科, 講師 (90615808)
川原 繁人 慶應義塾大学, 言語文化研究所(三田), 教授 (80718792)
宇都木 昭 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (60548999)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥612,430,000 (Direct Cost: ¥471,100,000、Indirect Cost: ¥141,330,000)
Fiscal Year 2024: ¥132,600,000 (Direct Cost: ¥102,000,000、Indirect Cost: ¥30,600,000)
Fiscal Year 2023: ¥136,370,000 (Direct Cost: ¥104,900,000、Indirect Cost: ¥31,470,000)
Fiscal Year 2022: ¥124,280,000 (Direct Cost: ¥95,600,000、Indirect Cost: ¥28,680,000)
Fiscal Year 2021: ¥118,690,000 (Direct Cost: ¥91,300,000、Indirect Cost: ¥27,390,000)
Fiscal Year 2020: ¥100,490,000 (Direct Cost: ¥77,300,000、Indirect Cost: ¥23,190,000)
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Keywords | 言語獲得 / 音声発達 / 語彙発達 / 言語比較 / 乳幼児実験 |
Outline of Research at the Start |
近年の研究から、欧米言語、主に英語を学ぶ乳幼児に比べて、日本語や他のアジア言語を学ぶ乳幼児の音韻発達と語彙発達が遅れることが分かってきた。本研究では「欧米乳児の語彙発達が語彙発達に親和性の高い母子コミュニケーションによって促進され、それが音韻の発達にも影響する」という仮説を立て実験的に検証していく。欧米とアジアの母子コミュニケーションには文化差が存在し、欧米型は共同注意を物に向けて物の名前を学ぶ機会が多く語彙発達を促進する可能性がある。欧米3言語とアジア4言語を学ぶ乳児の音韻発達、社会性の発達、母親の対乳児発話の特徴と、乳児が2歳になったときの語彙数を調査し、上述の仮説の妥当性を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、感染対策のための換気や消毒、社会的な距離の確保等の制限はあったが、乳児を対象とした実験が研究先の研究室でも可能となった。共同研究先でも当課題の実験を担当する研究員やアシスタントを雇用し実験の実施にむけて活動を開始した。
18ヵ月児とその母親を対象とする対乳児発話録音実験は、フランス語と日本語の録音比較的早期にが終了したが、まだ感染対策が必須である期間に実施したので母親も実験者もマスクをつけた状態での収録になり、解析時にはその影響も考慮する必要がある。アメリカのDuke大学、韓国、タイでも録音が開始したが、日本の担当者が各国の担当者と相談しながら書き起こしやコーディングのための指針作りを進めている。 眼球運動装置を必要とする共同注意実験と、Contengency実験、Scene Description実験は、各国の研究室の保有する眼球運動装置に合わせてプログラムを開発する必要があり、日本の担当者が作成したプログラムを各国のスタッフと協力しながら実装し、準備ができたところから実験を開始している。音素の弁別実験や単語の切り出し実験も開始することができた。しかし、実験の開始後にプログラムや刺激の不具合が見つかって何回かやり直しをする必要があり現在も進行中である。 また22年度は、コロナ禍でオンラインの実施が続いていた学会が対面で開催されるようになり、国際学会で当課題の課題の成果を発表することができた。また、乳児音声発達を複数の言語で研究することの意義が認められレビュー論文を書いた。2024年4月現在、掲載誌であるChild Development Perspective誌2022-2023年において最も引用された論文10本の内の一つとなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍でほとんど実験ができなかった20年度と21年度に比べ、22年度は感染対策の制限はあるが、共同研究先を含めて、実施予定の実験のほとんどを開始することができたのは重要な進展である。 実験によっては、各国の眼球運動装置に対応したプログラムの作成など本実験の実施までにはまだ課題が残るものもある。又、カナダのサイモンフレーザー大学やタイのタマサート大学のように、コロナ後に、乳児をリクルートが非常に困難になっている研究室もある。各国の担当者たちと密に連絡をとりながら対応しているが、当課題のような大規模な国際共同研究であれば、ある程度のトラブルが発生するのは想定の範囲内であると考えている。 また、国際学会等で研究成果の一部を発表することもできた。20年と21年の遅れをすべて取り戻したとまでは言えないが、2022年度1年間の進捗は概ね順調であったと評価できると思う。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、予定している実験をすべて実施可能にし、なるべく多くの実験を年度内に終了することができるようにすると共に、終了した実験のデータを速やかに開始することを目指す。また、23年度はイタリア語でも対乳児発話録音実験と単語の切り出し実験を実施する予定である。 母親の発話を録音する実験は、録音が終了した後の書き起こしやコーディングに膨大な手間がかかる。また、イタリア語を含む7ヶ国語を比較するためには、各言語の特性を踏まえた上で統一したコーディングの基準が必要となる。23年度はデータの収集と併行してコーディングの基準の作成にも力を注ぐ。 弁別実験や切り出し実験のように、実験終了後の解析に時間がかからないデータについては、言語によって予想と異なる結果が得られた場合にはその理由を探るため追加の実験を実施し、なるべく早いタイミングで学会やジャーナルに投稿できるように準備をすすめる。
2024年7月には、20年度にコロナの影響で中止になったInternational Congress of Infant Studies (ICIS)の隔年の大会がGlasgow で開催される予定で、アブストラクトの審査は23年度中に行われる。ICISは乳児発達研究においては最大の学会であるので、本課題の成果を発表できれば、本課題の成果をアピールする良い機会となる。なるべく多くの成果を発表できるよう準備を進める。
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Assessment Rating |
Interim Assessment Comments (Rating)
A-: In light of the aim of introducing the research area into the research categories, the expected progress in research has been made on the whole though a part of it has been delayed.
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