Project/Area Number |
20H05636
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section B
|
Research Institution | Institute of Science Tokyo (2021-2024) Tohoku University (2020) |
Principal Investigator |
関口 仁子 東京工業大学, 理学院, 教授 (70373321)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若狭 智嗣 九州大学, 理学研究院, 教授 (10311771)
前田 幸重 宮崎大学, 工学部, 准教授 (50452743)
坂口 聡志 九州大学, 理学研究院, 教授 (70569566)
立石 健一郎 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (80709220)
三木 謙二郎 東北大学, 理学研究科, 助教 (80727090)
酒井 英行 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 客員主管研究員 (90030030)
|
Project Period (FY) |
2020-08-31 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥197,080,000 (Direct Cost: ¥151,600,000、Indirect Cost: ¥45,480,000)
Fiscal Year 2024: ¥11,570,000 (Direct Cost: ¥8,900,000、Indirect Cost: ¥2,670,000)
Fiscal Year 2023: ¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2022: ¥38,090,000 (Direct Cost: ¥29,300,000、Indirect Cost: ¥8,790,000)
Fiscal Year 2021: ¥54,210,000 (Direct Cost: ¥41,700,000、Indirect Cost: ¥12,510,000)
Fiscal Year 2020: ¥74,750,000 (Direct Cost: ¥57,500,000、Indirect Cost: ¥17,250,000)
|
Keywords | 三体力 / 核力 / 少数系 / 偏極陽子 / 偏極重陽子 / 三体核力 / 少数核子系 / 三核子系 |
Outline of Research at the Start |
現在、原子核物理学では三体力を含めた核力による原子核・核物質の記述が進みつつある。これまでに我々は、重陽子・陽子弾性散乱の微分断面積と偏極分解能の高精度実験と厳密理論計算との比較から三体力効果の明確な証拠を示しつつ、既存の三体力モデルの問題点を詳らかにしてきた。近年のカイラル有効場核力理論の進展を受け、我々は、実験から三体力を確定する方向に舵をきることにした。重陽子・陽子弾性散乱スピン相関係数の高精度測定を実現し、実験値からカイラル有効場核力の三体力を決定、三体力をも含む極めて記述精度の高い核力を完成させる事を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
(1)理研RIBFにおける重陽子・陽子弾性散乱スピン相関係数測定の準備、(2)偏極陽子固体標的の建設、(3)カイラル有効場核力に基づく核子間三体力の構築の研究を進め、重陽子・陽子弾性散乱実験値をインプットとする核子間三体力の決定を行う研究を遂行している。(1)では、散乱の非対称度測定のため、MWDCと固体検出器で構成される大立体角検出器の製作、データ収集系の整備、偏極イオン源の動作試験、ビームライン偏極度計の整備を進め、加速器実験の準備を整えた。(2)では、ナフタレン結晶およびp-ターフェニルをベースとするTriplet-DNPを用いた偏極陽子標的システムの整備、単結晶標的(φ10mm, 2mm厚)の生成と整形、信号検出を進めている。(1) (2)を受け、量研HIMACにおいて、200MeV陽子ビームによる陽子ー陽子弾性散乱の測定を行った。新たに検出した測定器系において、陽子ー陽子散乱を特定する事に成功した。ナフタレン標的に関しては偏極度約20%を得、10^6 個/秒のビーム量において減偏極効果を観測した。p-ターフェニル標的に関しては、偏極度は数%以下、10^7個/秒のビーム量においても減偏極効果はないことを確認した。 (3)では、カイラル有効場核力(χEFT 核力)の第5次の摂動展開をした三体核力が重陽子・陽子弾性散乱のスピン観測量にどれだけ寄与するのか、という研究を進めつつある。 他、他の少数散乱系(陽子ー3He散乱)と重陽子・陽子散乱のスピン観測量について散乱振幅と三体核力に関する議論を論文としてまとめた。 なお、代表者関口は原子核物理学における三体核力の実験研究において、2022年5月に猿橋賞を受賞した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)理研RIBFにおける重陽子・陽子弾性散乱スピン相関係数測定の準備については検出器製作、偏極イオン源の整備も進んでいる。(2)偏極陽子固体標的については、より安定稼働な標的システムを構築する段階に至っている。(3)カイラル有効場核力に基づく核子間三体力の構築については、重陽子・陽子弾性散乱の測定が、χEFT核力核力の第5次項の決定に有用である事を示され、過去の実験値に基づいて低エネルギー定数をサーチする段階に至っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
重陽子-陽子弾性散乱測定の測定を見据え、偏極ビームの加速試験、および全システム(検出器、偏極標的)を用いたビーム試験を理研RIBFで行う。理論研究 については三体核力ポテンシャルの記述を第5次項まで進めると同時に、重陽子・陽子弾性散乱に対してカイラル有効場に基づく部分波展開を引き続き遂行する。
|
Assessment Rating |
Interim Assessment Comments (Rating)
A: In light of the aim of introducing the research area into the research categories, the expected progress has been made in research.
|