Project/Area Number |
20H05650
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section C
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 雅明 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30192636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 忍 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20401143)
PHAM NAM・HAI 東京工業大学, 工学院, 准教授 (50571717)
Le DucAnh 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (50783594)
吉田 博 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任研究員 (30133929)
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Project Period (FY) |
2020-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥197,340,000 (Direct Cost: ¥151,800,000、Indirect Cost: ¥45,540,000)
Fiscal Year 2024: ¥30,160,000 (Direct Cost: ¥23,200,000、Indirect Cost: ¥6,960,000)
Fiscal Year 2023: ¥35,880,000 (Direct Cost: ¥27,600,000、Indirect Cost: ¥8,280,000)
Fiscal Year 2022: ¥36,920,000 (Direct Cost: ¥28,400,000、Indirect Cost: ¥8,520,000)
Fiscal Year 2021: ¥45,110,000 (Direct Cost: ¥34,700,000、Indirect Cost: ¥10,410,000)
Fiscal Year 2020: ¥49,270,000 (Direct Cost: ¥37,900,000、Indirect Cost: ¥11,370,000)
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Keywords | 強磁性半導体 / スピン / ヘテロ構造 / バンド構造 / デバイス / 狭ギャップ半導体 / 電界効果磁化制御 / 低消費電力デバイス / スピントロニクス / トポロジカル物質 / スピン軌道トルク / 垂直磁化 |
Outline of Research at the Start |
本研究ではこれまでの強磁性半導体の問題点をすべて解決する:すなわち、1)p型とn型の強磁性半導体を両方実現、2)キュリー温度TCを室温より上げ、室温で強磁性を示す半導体を実現し、物性機能を最適化、高度化、3)強磁性の起源に関する統一的な理解と物質設計指針の確立、さらに 4)不揮発性と柔軟な情報処理機能を持つスピントランジスタ、スピン依存バンド構造を用いた量子効果デバイス、トポロジカル状態を用いた機能デバイスなど、低消費電力で動作しかつ革新的な高機能デバイスの実現、を目指す。強磁性半導体を中心とする材料開発("強磁性半導体のルネサンス")によって、将来の情報処理に適したデバイスの基盤技術を創る。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまで実績があるMn添加強磁性半導体に加えて、従来作製することが不可能であった室温以上のキュリー温度(Tc)をもつ新しいp型強磁性半導体((Ga,Fe)Sb)、n型強磁性半導体((In,Fe)Sb, (In,Fe)As)およびそれらを含むヘテロ構造・ナノ構造の分子線エピタキシー(MBE)成長に成功し、その基本物性や明らかにしてデバイス機能を示した。令和4(2022)年度の主な成果を述べる。 (1) 非磁性半導体(InAs)/強磁性半導体((Ga0.8,Fe0.2)Sb)からなるヘテロ構造における新しい電子伝導現象(巨大な磁気抵抗効果)の発見とその電界制御に成功した。特に、奇関数を示す巨大磁気抵抗効果を発見、磁場を反転させた場合の抵抗変化は最大で27%であり、これまでの記録を10倍以上更新する結果を得た。この結果は、時間反転対称性と空間反転対称性が同時に破れているという物質中の特異な対称性の破れによって、これまでにない大きな奇関数磁気抵抗効果という巨大応答が引き起こされたという点で大きな意味がある。 (2) 横型スピンバルブ素子における世界最高の横型スピンバルブ比とゲート変調を実現した。MBE法によりSrTiO3基板上に厚さ12 nmのLaSrMnO3層をエピタキシャル成長し、電子ビーム(EB)露光によりナノサイズの非常に短いMott絶縁体のチャネルを持つ横型スピンバルブ素子を作製することに成功した。このLaSrMnO3 / SrTiO3 / LaSrMnO3からなるデバイスでは、横型スピンバルブ構造としては世界最高値である115 %という極めて大きなMR比を得た。 (3) n型強磁性半導体InFeSb或いはInFeAs / p型強磁性半導GaFeSbからなる強磁性半導体p-n接合を作製し、500%のMR比を示す巨大なスピン依存伝導特性を観測した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
従来作製することが不可能であった室温以上のキュリー温度(Tc)をもつ新しいp型強磁性半導体((Ga,Fe)Sb)、n型強磁性半導体((In,Fe)Sb、(In,Fe)As)およびそれらを含むヘテロ構造・ナノ構造の成長に成功し、その新しい物性機能を示した。特に、奇関数磁気抵抗効果など新しい巨大物性応答を観測しその機構の一端を解明した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画外の成果として、世界最高品質の単結晶ダイヤモンド型結晶構造をもつα-Sn薄膜をIII-V族半導体InSb上にエピタキシャル成長することに成功し、トポロジカル物質としての性質を明らかにしたので、これを含めて狭ギャップ強磁性半導体と組み合わせ、さらに機能開発を行う。
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Assessment Rating |
Interim Assessment Comments (Rating)
A: In light of the aim of introducing the research area into the research categories, the expected progress has been made in research.
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