Project/Area Number |
20H05667
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section D
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
山谷 泰賀 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部, 次長 (40392245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 彰 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50292264)
菅 幹生 千葉大学, フロンティア医工学センター, 准教授 (00294281)
今井 陽一 獨協医科大学, 医学部, 教授 (10345209)
石橋 真理子 日本医科大学, 医学部, 講師 (20599047)
永津 弘太郎 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部, グループリーダー (30531529)
高橋 美和子 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 分子イメージング診断治療研究部, グループリーダー (00529183)
吉田 英治 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部, 主幹研究員 (50392246)
田島 英朗 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部, 主幹研究員 (70572907)
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Project Period (FY) |
2020-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥197,470,000 (Direct Cost: ¥151,900,000、Indirect Cost: ¥45,570,000)
Fiscal Year 2024: ¥22,620,000 (Direct Cost: ¥17,400,000、Indirect Cost: ¥5,220,000)
Fiscal Year 2023: ¥30,680,000 (Direct Cost: ¥23,600,000、Indirect Cost: ¥7,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥42,770,000 (Direct Cost: ¥32,900,000、Indirect Cost: ¥9,870,000)
Fiscal Year 2021: ¥52,390,000 (Direct Cost: ¥40,300,000、Indirect Cost: ¥12,090,000)
Fiscal Year 2020: ¥49,010,000 (Direct Cost: ¥37,700,000、Indirect Cost: ¥11,310,000)
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Keywords | PET / コンプトンカメラ / SPECT / 核医学 / シンチレータ |
Outline of Research at the Start |
高エネルギγ線を積極的に活用して高解像度・高感度な次世代核医学イメージング法を実現する。具体的には、PET検出器リングの内側に挿入して使うコンプトン散乱検出専用の検出器リングを開発し、Zr-89の909keVγ線をコンプトンカメラの手法で精度よく画像化できるようにする。この他、PETデータ(511keV同時計数)と511keVコンプトン散乱事象も一緒に計測し、WGIすなわち「すべてのガンマ線の画像化」を具現化する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、計測可能なすべての放射線を診断に使うという独自アイディアの画像診断法「whole gamma imaging(WGI)」を提案し、その実現に必要な要素技術開発および多発性骨髄腫診断への応用について研究する。具体的には、がん特異性の高い抗体イメージングに最適な次世代核種として期待されるZr-89(ジルコニウム)に着目する。しかし、511keV放射線ペアを同時計測する従来の陽電子断層撮影法(PET)では、180度からのずれによる幾何学的誤差(角度揺動)に加え、従来PET核種のF-18よりも約2倍長い陽電子飛程により、解像度が大きく劣化してしまう。また、陽電子よりも約4倍多く放出される909keVγ線がノイズ源になってしまう問題もある。これに対して提案するWGIでは、909keVγ線を積極的に活用して高解像度・高感度な次世代イメージングを実現する。3年目となる2022年度は以下について研究した。 (1)WGI用シンチレータ開発: 組成や製造方法を確立したエネルギ分解能の高い散乱検出器用シンチレータの量産を行い、WGI試作機に必要な数量の製造に成功した。 (2)システム設計最適化: モンテカルロシミュレーションを駆使して、Zr-89に特化したWGIの装置パラメータ設計を継続して行った。 (3)WGI画像再構成法開発: WGIすなわち「すべてのガンマ線の画像化」を具現化する画像再構成アルゴリズムの開発を継続した。 (4)WGI試作機開発・評価: これまでに調達した受光素子およびデータ収集システムを用いて散乱検出器および吸収検出器の開発に着手し、まずは吸収検出器リングの開発を完了した。 (5)多発性骨髄腫への応用: マウス由来の多発性骨髄腫細胞(Vk*Myc mouse由来)を高確率で発症するマウス骨髄腫モデルを確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各課題が当初計画通り進行しているため。 (1)WGI用シンチレータ開発:GAGG結晶をベースにGa;Al比やMgの共添加量を調整してエネルギ分解能と高速応答性のバランスを高めたシンチレータを育成し、1.45 mm角、15 mm長に加工したものを7,840本(散乱検出器ブロック40個分)製造した。 (2)システム設計最適化:上記の散乱検出器(3層DOI方式)を想定したシミュレーションを行い、イメージング性能を予測した。また、散乱検出器のエネルギ分解能を仮想的に高めたシミュレーションを行った結果、散乱検出器近傍では909keVγ線のコンプトンイメージングがPETの空間分解能を超える可能性が示唆された。 (3)WGI画像再構成法開発: WGIすなわち「すべてのガンマ線の画像化」を具現化する画像再構成アルゴリズムの開発を開発し、シミュレーションデータに適用した。その際、モンテカルロシミュレーションの結果と一致するようにシステムマトリクスを高精度化した。 (4)WGI試作機開発・評価:WGI試作機のベースとなる吸収検出器リング部分の開発を完了した。具体的には、3.1 mm角、20 mm長のfast-LGSOシンチレータを8x8アレイにした検出器ブロックを計216個開発し、それらを直径304 mmの円筒状に配置した(36検出器x6リング)。ファントム実験の結果、1.7 mmの空間分解能を実証した。 (5)多発性骨髄腫への応用:マウス由来の多発性骨髄腫細胞(Vk*Myc mouse由来)を高確率で発症するマウス骨髄腫モデルを確立し、ブドウ糖代謝画像、抗PD1抗体画像、抗CD38抗体画像を得た。移植3-4週後において、PETおよびSPECT画像上に脾臓の異常を確認し、症状出現(移植約7週後)よりも早期からイメージングによる検出とモニタリングが可能であることが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)WGI用シンチレータ開発: これまでの研究で、WGIの散乱用シンチレータブロックとして適しているとされた組成のバルク単結晶作製条件の最適化を行う。 (2)システム設計最適化: モンテカルロシミュレーションを駆使して、Zr-89に特化したWGIの装置パラメータ設計を継続して行う。具体的には、WGI画像再構成法をシミュレーションデータに適用し、コンプトンとPETに対する再構成パラメータを含めた最適化を行う。 (3)WGI画像再構成法開発: WGIすなわち「すべてのガンマ線の画像化」を具現化する画像再構成アルゴリズムの開発を継続する。具体的には、コンプトンイメージングとPETの収束性の違いを考慮した逐次近似アルゴリズムを開発する。 (4)WGI試作機開発・評価: 散乱検出器リングの開発を完了する。具体的には、GAGGベースに組成等を最適化したシンチレータ(1.45 mm x 1.45 mm x 15 mm)をCLS方式で14 x14アレイにして受光素子と結合したブロック検出器を40個製作し、10個×4リングに配置する。散乱検出器リングの直径は、マウス実験に適した直径79 mmを予定している。そして、吸収検出器リングと組み合わせて、WGI試作機を完成する。 (5)多発性骨髄腫への応用: 引き続き、画像データおよびフローサイトメトリ、解剖法による生体分布データとの関連を明らかにし、画像による腫瘍細胞や周囲免疫細胞状態の可視化・定量計測法の開発を進めていく。
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Assessment Rating |
Interim Assessment Comments (Rating)
A: In light of the aim of introducing the research area into the research categories, the expected progress has been made in research.
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