Project/Area Number |
20J00105
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
嶋川 銀河 大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 光合成 / 共生 / レドックス / サンゴ / 褐虫藻 |
Outline of Research at the Start |
昨今、国内外を問わず、造礁サンゴの減少による海洋生態系への被害が確認されており、環境面や経済面において深刻な問題となっている。造礁サンゴの減少は、海水温の上昇などの環境ストレスによって複合的に引き起こされる褐虫藻とサンゴの共生関係の崩壊 (白化) に起因するがその詳細なメカニズムは分かっていない。本研究では、褐虫藻の代替的電子伝達がサンゴとの生物間相互作用に対して重要な役割を担うと仮定した上で、活性酸素や細胞レドックス信号が褐虫藻の生理情報をどのようにして宿主サンゴへ伝達するのかメカニズムを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、サンゴに共生する褐虫藻が有する酸素依存的な代替的電子伝達の分子的実体がFlavodiironタンパク質(FLV) であることを見出し、また褐虫藻独自のFLV遺伝子発現様式を発見した。 まず3種のサンゴ共生藻 (褐虫藻) Symbiodinium, Cladocopium, DurusdiniumにおいてcDNAの配列解析を行った。結果として褐虫藻におけるFLVが、他の光合成生物が有する2種のFLV (FLV A/Bペア) の融合タンパク質としてコードされていることを明らかとした。その後、褐虫藻においてFLVが酸素依存的な代替的電子伝達に機能することを調べるため、酸素電極とクロロフィル蛍光測定器を同時に用いることで褐虫藻Cladocopiumの酸素光還元活性を非破壊的に測定するとともに、実際に褐虫藻が共生した造礁サンゴであるミドリイシ (Acropora) を用いて、P700酸化還元の非破壊測定を行った。これら2つの生理解析の実験結果はともに、サンゴに共生した褐虫藻においてFLVによる酸素依存的な代替的電子伝達がP700酸化に貢献している事を支持していた。褐虫藻のもつFLV遺伝子の進化的変遷を明らかにするため、系統解析を行った結果、褐虫藻のFLVが原始緑藻から水平伝播または一過的細胞内共生によって受け継がれていることが示唆された。さらに、実際に生体内で機能しているFLVの分子構造を調べるため褐虫藻のタンパク質を抽出し、免疫染色を行うことで、FLVが一度ポリペプチドとして発現した後、特異的な翻訳後切断によって分裂し、酸素還元に機能することを明らかにした。本研究で得られた成果は、日本植物生理学会年会のシンポジウム「植物レドックス生物学の最前線」において発表しており、また学術雑誌Photosynthesis Researchへ投稿済みである。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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