CCGによる日本語発話行為の統合的記述とその処理モデルの構築
Project/Area Number |
20J00175
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井原 駿 神戸大学, 国際文化学研究科, 助教
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 命令文 / モーダル / 条件文 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は,日本語の発話行為に関わる諸現象を高精度で捉えることができ,かつ計算機への実装を想定したシステムを構築することである。日本語の発話行為は,ある特定の言語形式と単純に関連付けるだけでは正確に捉えることはできず,この複雑さが計算機での処理を困難なものとしている。研究代表者は,発話行為の関わる言語現象を捉えられるよう日本語の語彙文法の構築を独自に推し進め,その上で,これに小規模な統計モデルを組み込むことによって解決する手法を提案する。これにより,日本語の複雑な発話行為を正確に処理可能なシステムを低コストで実現することを可能とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度前半では,命令文と義務モーダルの意味論に関わる研究を推し進めた。 (1) 「にしろ」「であれ」「にせよ」とUnconditionals: 「にしろ」「であれ」「にせよ」のように「コピュラ+軽動詞+命令形態素」を持つ文は,命令文としてだけでなく,ある特定の条件文の前件(具体的には, unconditionalsと呼ばれる条件文の前件)として機能し得るが,どのような仕組みでこれらの表現が命令文と条件文の意味を導出するかは明らかとなっていなかった。この研究では,「日本語における命令形態素はそれ自体で命令の意味を持つ訳ではなく,いわゆるsubjunctive moodを持つ代替集合を作る演算子である」ということを主張し,代替意味論の枠組みにより統一的な説明を与えた。 (2) 日本語の義務モーダル「方がいい」に関する形式的研究: 共同研究として,日本語の義務モーダル「方がいい」の意味論の研究を行なった。「方がいい」は,いわゆる「義務 」のモダリティを表す点で命令文と共通している。本研究では,「方がいい」の「義務」の意味は,英語のshouldやmayのように一つの語彙としてその意味が登録されている訳ではなく,「方」・「が」・「いい」という三つの要素それぞれの意味から構成的に導出されるというアプローチを採用し,同時にこのアプローチの経験的な意義を主張した。本研究は,単に「方がいい」に関わる個別現象を説明しただけに留まらず,自然言語におけるモーダル表現の「意味的普遍」が何であるかという根源的な問いに対し,日本語のデータから一石を投じた点において,当該の研究領域に貢献した。 本成果はJapanese/Korean Linguistic Conference 28にて報告を行った。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)