Project/Area Number |
20J00825
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 40010:Forest science-related
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Research Institution | Forest Research and Management Organization (2021) Tokyo University of Agriculture and Technology (2020) |
Principal Investigator |
設樂 拓人 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 研究員
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 氷期遺存種 / 気候変動 / 第四紀 / 分布変遷 / 分布予測モデル / 隔離分布 / 植生地理 |
Outline of Research at the Start |
日本列島の中には、北東アジア大陸部と共通する樹木種群が特異的に隔離分布しており、これらは氷期遺存種と呼ばれている。氷期遺存種の隔離分布パターンは、後氷期に起きた気候変動により形成されたことが明らかになりつつある一方で、今後起こりうる温暖化に対して非常に脆弱である可能性が高い。そこで本研究では、分布予測モデルを用いて、氷期遺存種の分布や生態の把握、過去の分布変遷の解明、将来の温暖化に対する脆弱性の評価を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
温暖湿潤な海洋性気候に属する日本列島の中には、寒冷乾燥な大陸性気候に適応した北東アジアの大陸部と共通する樹木種群が特異的に隔離分布している。これらの樹種は約2万2千年前の最終氷期最寒冷期に日本列島に広く分布していたが、最終氷期以降の急激な気候変動によって日本では分布が縮小したと考えられていることから、氷期遺存種と呼ばれている。本研究では、これまで花粉分析や大型植物化石など断片的な証拠に基づいて推定することしか出来なかった氷期遺存種の分布変遷を分布予測モデルと呼ばれる統計モデルを用いて推定し、最終氷期以降の気候変動と氷期遺存種の分布変遷について理論的な裏付けを与えた。 (1)氷期遺存種であるチョウセンゴヨウ、ヤエガワカンバ、チョウセンミネバリを対象に分布予測モデルを用いて最終氷期最寒冷期の潜在生育域(環境条件からみて種が潜在的に生育可能な地域)を予測した結果、チョウセンゴヨウは本州北部から九州に広く分布していたと予測され、大型植物化石の産出パターンとよく一致した。 (2)最終氷期以降の急激な冬季の気温上昇と夏季の降水量の増加が寒冷乾燥気候に適した氷期遺存種の日本における分布縮小に大きな影響を与えたことが示された。一方、これらの種群は現在、中国北東部、朝鮮半島、極東ロシア沿海州に広く分布しており、最終氷期最寒冷期には朝鮮半島や中国東部に南下していたが、最終氷期以降の温暖化によって北上し、分布が拡大したと予測された。 (3)生態的な情報が少なかったチョウセンミネバリについて、本州中部山岳で生育環境と森林植生調査を行った。本種は冷温帯の谷部や斜面下部に生育し、モミ・ツガの針葉樹林、ミズナラ二次林、トチノキやサワグルミなどの湿性林に生育することを明らかにした。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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