Project/Area Number |
20J01194
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 03040:History of Europe and America-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷口 良生 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(SPD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥11,180,000 (Direct Cost: ¥8,600,000、Indirect Cost: ¥2,580,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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Keywords | 議会史 / 市町村議会 / フランス史 / 地方行政 / 近代史 / 市町村長 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、近現代フランス史を民主主義の勝利の物語として描く歴史叙述を克服すべく、議会政治の「舞台裏」として、政府や知事など行政による議会政治(とくに地方議会)への関与(=「議会行政」)に着目し、その政治性を問う。具体的には、南仏ブーシュ=デュ=ローヌ県の市町村議会を舞台に、議会政治を「行政」するために行政側が築いた情報網を明らかにしたうえで、行政と市町村議会・市町村長との対立局面における前者の議会政治への介入を分析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、新型コロナウイルス感染症のために研究計画を変更したことにともなって、本年度は当初来年度に予定していた課題C「1890年代以降の社会主義市政との対立局面」に着手した(ただし、課題遂行に必要な史料調査が困難であることが想定されたため、今後の状況改善を見込んで適宜課題内での研究計画を変更した)。本研究が対象とするブーシュ=デュ=ローヌ県では、1880年代後半から社会主義派が各議会に進出し、共和派と社会主義派という新しい対立軸が登場する。課題Cでは、1892年に社会主義市政が成立したマルセイユを中心に、社会主義市政と共和派行政との対立局面を分析することで、議会政治に行政がいかに対峙したかを明らかにする。 まずは、この社会主義市政がどのように、そしてなぜ成立できたのかを検討すべく、新聞や県立文書館所蔵の選挙史料などから分析を行った。その結果、1880年代まで急進派の一員であったシメオン・フレシエールが、著名な社会主義者ジュール・ゲードの下院選出馬をきっかけにマルセイユに社会主義派のネットワークを張り巡らせ、かつて労働運動の闘士たちを候補者として1892年に社会主義派の勝利を導いたことを明らかにした。 そのうえで、社会主義市政と共和派行政の対立の契機となる、社会主義市政による頻繁な補欠選挙開催に着目した。1890年代、社会主義派は市議会で大きな勢力を誇っていたにも関わらず、頻繁に議会の解散と補欠選挙を要求していた。議事録によれば、それは社会主義市政に少しでも共和派が入り込むのを嫌がったフレシエールによる市議会の「均質性」へのこだわりに由来していた。しかし、このこだわりに対し、共和派行政は当時県議会議長であったアマブル・シャノに立候補を打診し、1902年に社会主義市政を退かせたのである。ここには、選挙に間接的ではあれ干渉する行政側の姿がみてとれる。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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