Project/Area Number |
20J01234
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 44010:Cell biology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 光 東京大学, 東京大学 大学院薬学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 細胞内温度 / 細胞内温度計測 / 膜脂質 / 示差走査熱量計測 |
Outline of Research at the Start |
近年、細胞内温度計測により、1細胞内という微小空間における温度恒常性の存在が示されつつある。一方で、その分子機構には不明な点が多く残されており、特に熱力学的特性により決定される細胞内の“熱移動”に関する知見は殆ど無い。本研究では「生体分子のミクロな動態が細胞内の熱力学的特性を決定する」と仮説を立て、生体分子を介した細胞内熱移動機構の解析により細胞内温度の形成機構の解明を目指す。さらに、細胞内熱移動に関与する遺伝子群を網羅的に探索し、1細胞内温度の形成機構への関与を介して至適生育温度や内・外温性といった生命の恒常性に必須な因子を支配する遺伝子群の同定を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
1細胞温度計測技術により,細胞内の温度が細胞機能と連関して時空間的に変動することや,それらが細胞の内因的な熱産生により制御される可能性が示されてきた。これらの一連の発見は,細胞内にて発生した熱が瞬時に細胞外に移動しないこと,即ち,細胞内が熱力学的に特殊な環境であることを示唆していたが,そのような知見は未だ限局される。本研究員は,2020年度の研究において,哺乳動物細胞内の熱移動が生体膜に豊富に含まれる脂質分子であるコレステロールにより抑制されていることを見出した。そこで,当該年度の研究では,このコレステロール依存的な細胞内熱移動をさらに解析するとともに,細胞内熱移動機構の生物学的意義の評価を遂行した。 2020年度に構築した蛍光性ポリマー温度センサー(FPT)と蛍光寿命顕微鏡による1細胞温度計測法,並びに細胞内温度変化の実時間解析法により,細胞質における内因的(ミトコンドリア熱産生の活性化)・外因的(赤外レーザーによる人工加熱)な温度上昇がいずれもコレステロール依存性を有することを見出した。このことから,細胞内ではコレステロール依存的な熱移動の抑制機構により温度変動が実現されることが示唆された。また,異なる動物種に由来する培養細胞について,細胞内の熱移動を種々の環境温度にて解析した。その結果,細胞の熱力学的な特性の環境温度依存性,さらにその細胞種依存性が見出され,動物個体の環境温度への適応機構が1細胞レベルの熱力学的な特性により決定される可能性が示された。 以上,本研究では哺乳動物細胞内におけるコレステロール依存的な熱移動機構,さらに,細胞内熱移動機構の環境温度・動物種それぞれへの依存性が示された。即ち, 1細胞内温度を司る熱力学的分子機序を発見するに留まらず,その生物学的重要性が見出された。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)