Project/Area Number |
20J01625
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 26020:Inorganic materials and properties-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野村 啓太 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 全個体電池 / 計算科学 / 有機結晶 / 第一原理計算 / マテリアルズインフォマティクス / 炭素材料 |
Outline of Research at the Start |
炭素材料の構造は、化学結合状態や結晶子サイズ、細孔構造などの要素で切り分けられる。従来、それぞれの要素については、膨大な量の光学的、熱的、化学的手法により解析が行われ、研究者の経験と勘によって、切り出した要素と導電性や化学的反応性などの特性との相関の解明が行われてきた。しかし炭素材料の複雑かつ膨大なデータをすべて人間の手で処理しきることは困難である。そこで本研究ではマテリアルズ・インフォマティクスを用いて、炭素材料の構造パラメータと、特性の評価結果の相関性(構造機能相関)を複合的に解析し、炭素材料の原子レベルでの構造の理解を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
炭素材料はエネルギーデバイスの電極などとして広く応用されている。一方で、構造が複雑であり原子レベルで描写することが極めて困難であるという問題がある。そこで本研究では、第一原理計算やマテリアルズ・インフォマティクスをはじめとした情報科学的手法により炭素材料の構造を原子レベルで描写する一般的手法の開発に挑戦する。 従来、アモルファスな炭素材料のナノ構造については様々な構造が提唱されているが、実験的に確実な構造モデルが完成した例は無い。そこで基本骨格に炭素原子を多く含み、かつ実験的に構造が既知となっている有機結晶をモデルに計算を行うことで、炭素骨格の計算に十分な計算条件を検討した。 モデルとして、全固体電池のLi固体電解質として開発されたLithium bis(fluorosulfonyl)imide/ disuccinonitrile{LiFSA(SN)2}結晶のLi伝導メカニズムの解明を試みた。第一原理計算により、LiFSA(SN)2の電子構造を計算したところ、HOMO軌道はFSA分子のN・O原子から構成され、LUMOはSN分子の炭素鎖の末端に存在するN原子から構成されていることが分かった。また、欠陥構造について全固体電池内の化学ポテンシャルを想定して計算してところ、正極側ではLi点欠陥が、負極側ではLi格子間原子が生成されやすいことが分かった。これは、正極側と負極側で異なるメカニズムでLi伝導が起きている可能性を示唆している。活性化エネルギーについてもLi点欠陥および格子間原子について計算を行い、それぞれ0.62eV、0.34eVであった。リチウムイオン伝導性を高める上で活性化エネルギーは小さいことが望ましいことから、前述の欠陥生成の傾向を合わせて考えると、正極側ではLiリッチな電極活物質を用いることで、より電池としての入出力特性が向上する可能性があることが分かる。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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