Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2021: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 非線形拡散方程式と消散型波動方程式に対する時空均質化問題について考察する. 均質化問題は材料科学関連の分野を端緒とする問題であり, 数 学的には振動する係数行列場を含む偏微分方程式を考え, 振動周期をパラメータとみなしてそれをゼロに近づけたときの解の極限が満たす均質化方程式を厳密に 導出する問題である. 非線形退化放物型方程式に対する時空均質化問題については既存の結果がいくつか知られているが, 方程式が複雑化してしまうために線形拡散方程式に関する 結果と比較すると得られる情報量は圧倒的に少なく, また, 拡散過程の進行とともに拡散係数が発散していく特異拡散方程式は除外されていた. ここでは, 拡散 係数に特異性を伴うFast Diffusion方程式及び, 退化性を伴う多孔質媒体方程式を含む非線形拡散方程式に対する時空均質化問題について考察し, その結果, 均 質化方程式の中核を成す均質化行列の表現が時空間周期や拡散係数の退化性や特異性による拡散過程の違いによって異なることを示す. 一方, 消散型波動方程式の場合でも非線形拡散方程式の場合とは異なる時空間スケール比で均質化行列の表現が著しく異なることを示し, また, 時間周期性の 概念を拡張することによって, 標準的な結果と著しく異なる結果が得られることも示す.
|