渦の階層から探る壁乱流の物理とそれに基づく工学応用
Project/Area Number |
20J10399
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 19010:Fluid engineering-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
本告 遊太郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 壁乱流 / 秩序構造 / 渦 / エネルギーカスケード / 自己維持サイクル / 数値シミュレーション |
Outline of Research at the Start |
壁面近傍の乱流中の渦の階層の維持機構およびそれが担う輸送現象の物理を解明する。十分に発達した壁乱流中には、壁からの距離によって質的に異なる渦が階層的に共存し、これらの複雑な相互作用により乱流は維持されている。そこで、大規模数値シミュレーションによって得られた乱流場をそのまま扱うのではなく、一旦、スケール毎に分解することで、渦の階層を陽に抽出する。このとき、渦を客観的に同定することで、渦の階層が担う乱流輸送を正確に定量化し、その物理を解明する。さらに、これまでの知見に基づき、一見複雑な乱流を「秩序渦の階層」により簡潔に表現することで、工学応用に直結する乱流モデルの構築や乱流の制御法を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2種類の十分に発達した壁乱流(乱流境界層および平行平板間乱流)の大規模数値シミュレーションを実行し、得られたデータを徹底的に解析することで、壁乱流中に潜む渦の階層の実態とその生成維持機構を明らかにした。具体的には、得られた壁乱流の巨大な数値データをそのまま扱うのではなく、渦の大きさ毎に分解することで、大小さまざまな渦の階層の詳細な解析を可能にし、多くの重要な知見を得た。たとえば、十分に発達した壁乱流中において、各高さにおける最も大きな構造(つまり、壁面からの距離程度の構造)は、流れ方向を向く縦渦(もしくはヘアピン状の渦)と流れ方向に伸びたストリーク構造によって構成される。これらの秩序構造は、自己維持的に共存し、平均流からエネルギーを受け取る。一方で、それより小さな渦は、より大きな渦による渦伸長により生成される。このとき、エネルギーも同時に伝達される。つまり、いわゆるエネルギーカスケード現象が、壁乱流中の対数層における小さな渦の生成機構であることを数値的に実証した。
さらに、高レイノルズ数の平行平板間乱流中の慣性粒子の数値シミュレーションを新たに実行し、渦の階層に基づく解析を行うことで、乱流輸送現象を明らかにした。具体的には、渦とストリーク構造の階層を客観的に同定することで、粒子の輸送に対して秩序構造の階層が果たす役割を明らかにした。慣性粒子は、エアロゾルや気泡の簡易なモデルでもあり、本研究で得られた乱流輸送に関する知見は、工学応用に直結する。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)