Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Outline of Research at the Start |
日常生活では,“平均年収 700 万円" のように一つだけの数値情報を提示する場合以外にも,“年収 500~900 万円" のように一度に複数の数値情報を見ることがある. 本研究では, 複数の数値情報を見ることが意思決定に与える影響を検討する. 特に, 一つだけの数値情報を提示する場合と複数の数値情報を提示する場合で, 係留効果と確率評価に違いが生まれるのかどうかを確認する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, 先行提示した数値が人の数的判断に影響する係留効果について, その効果が発生するために必要な刺激の要素 (研究A), 係留効果を発生させる新しい方法 (研究B), 複数の数値を提示した場合の係留効果 (研究C), そして, 複数の確率を提示した場合の人の確率評価 (研究D) を検討した. 研究A: 数値を提示することに加えて, 数値が数的判断と同じ次元を持つこと (体重の場合, kg) が係留効果を発生させるために重要であることが分かった. 研究内容は, 2021年にFrontiers in Psychologyに掲載された. 研究B: 報酬 (10個のチョコレート) を取り皿に最初から置いておくか否かの違いによって, 人が手に入ると予想する報酬量が異なることで (10個貰える, 0個貰える), 手に入った報酬 (5個のチョコレート) への印象に影響し (5個しか貰えなかった, 5個も貰えた), 報酬への満足度が異なることを明らかにした. この現象は, 同じ報酬量に対して異なる捉え方をすることが判断に影響しているため, 一種のフレーミング効果でもあると考えることができる. 研究内容は, 2020年にFrontiers in Psychologyに掲載された. 研究C: 複数の数値を提示した場合, 複数の数値が判断に影響する係留効果が発生することを確認した. 研究内容は, 2022年度に認知科学誌に日本認知科学会第38回大会発表賞論文として掲載された. 研究D: 一つだけの確率を提示した場合, 人は宝くじの低い確率を主観的に当たりやすいと捉え, 高い確率を主観的に当たりにくいと捉えるプロスペクト理論と一致した行動が観測された. 一方で, 一つだけの確率を提示した場合よりも, 複数の確率を同時に提示した場合, 主観的な確率評価と客観的な確率評価は近づいた.
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