チャールズ・ディケンズの創作原理の研究-自己言及の表象の分析を中心に
Project/Area Number |
20J10967
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
筒井 瑞貴 神戸大学, 人文学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ディケンズ / イギリス小説 / ヴィクトリア朝 / 自己言及性 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、イギリスのヴィクトリア朝の代表的作家チャールズ・ディケンズの創作原理を解明することを目的とする。近年の研究でディケンズの作品には自らのテクスト そのものの性質を問い直す自己回帰的、自己言及的な要素が内在されていることが明らかにされてきた。本研究ではそれらをディケンズの創作の根幹に関わる重要なモチーフとして捉え直し、体系的に精査する。テキストの精読による個々の作品の具体的表象の分析、および自筆原稿・創作ノート、ゲラ刷りなどの一次資料の検証を通じて、自らの審美的価値観について語ることの極端に少なかった作家の小説執筆におけるプロセスの理解に新たな視角を提示することを試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、在外研究を実施することができなかったため、文献資料の精査を中心としてディケンズおよび19世紀イギリス小説に関して研究を進めた。2021年度は、前年度に考察した後期小説Our Mutual Friend(1865)の分析を深めつつ、英語論文の執筆を行った。ディケンズは自作について論評したり、創作観について語ることが極めて稀であったが、本論文ではディケンズが編集を務めていた週刊雑誌All the Year Roundに1867年7月に掲載された匿名記事"The Spirit of Fiction"に着目することで、ディケンズ自身の「虚構」に関する認識を焙り出すことを試みた。「虚構」と「事実」について論じ、前者の意義を訴えた"The Spirit of Fiction"はOur Mutual Friendと複数のテーマ上の類似点を共有しており、本論文ではディケンズのテクストにおける虚構や物語行為と道徳性との関わりを分析しし、同作の新たな側面に光を当てた。なお、論文は2021年5月にDickens Quarterly(Johns Hopkins University Pressに投稿を行ったが、新型コロナウイルスの影響により査読に遅延が生じている。 そのほかに、ディケンズに先行し、影響を与えた可能性がある小説家ウォルター・スコット(1771-1832)の歴史小説Waverley (1814)や、ジェイムズ・ホッグ(1770-1835)の短編小説"The Brownie of the Black Haggs"について考察を行うこともできた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)