Project/Area Number |
20J11036
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
横井 滉平 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2021: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 異常ネルンスト効果 / 異常ホール効果 / ベリー曲率 / ノーダルラインフェルミオン / ネルンスト効果 / 圧力依存性 |
Outline of Research at the Start |
線形なバンド分散が交差する物質中の電子は相対論的量子力学に従うディラック粒子として振る舞い、バンドのトポロジーを反映した量子輸送現象を発現することから注目されている。本研究では、波数空間で円周上にバンド交差が実現するトポロジカル線ノード半金属を対象として、新奇な熱輸送現象を観測するための実験に取り組む。圧力印加によりバンドのトポロジーを変化させた際のネルンスト効果の振る舞いを詳細に観測して明らかにすることで、線ノード半金属に固有の熱輸送現象についての理解を深めていく。これにより、トポロジカルな性質を開花させるための物質設計の指針を確立し、磁性を融合させた熱電変換材料の開発にも取り組んでいく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度得られたネルンスト効果の圧力依存性についての結果をまとめ、学術論文投稿を行った。また、圧力下での電気抵抗率測定を行い、ホール効果についても圧力印加に伴って、磁場依存性が変化していることを明らかにした。ネルンスト効果、ホール効果の両方の現象で特異な磁場依存性が現れたことから、これらはノーダルラインフェルミオンの持つベリー曲率を反映した現象であることがより強く示唆された。この結果からノーダルラインフェルミオンの特性の一端が明らかとなった。さらに、これらの現象がノーダルラインフェルミオンに普遍的な現象であることを調べるべく、ノーダルラインフェルミオンの数が減少したInTaSe2や、類似した電子構造を持ちながらもノーダルラインフェルミオンが存在しないPbTaS2の合成を行い、そのネルンスト効果、ホール効果の測定を試みた。InTaSe2についても単結晶が得られたものの、物性測定は困難な結晶のサイズであった。PbTaS2については単結晶合成の結果、最大2 cm四方の大きな単結晶を得ることに成功したものの、化学気相法による単結晶化の際に用いた塩素が結晶中に取り込まれていることが分かった。塩素ドープによって電子状態は理論計算から推定されるものとは違っている可能性があるが、そのネルンスト効果、ホール効果を測定した結果はシンプルな通常電子モデルで説明可能なものとなっており、PbTaSe2で観測された特異な磁場依存性がノーダルラインフェルミオンと関係していることを補強する結果が得られた。 またFe3GeTe2についても異常ネルンスト効果の測定を行った結果、バルク結晶では単原子層の異常ネルンスト効果とは温度依存性や信号の符号が異なる結果が得られ、単純な線ノード構造による異常ネルンスト効果ではない可能性が明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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