Project/Area Number |
20J11072
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松原 慧 神戸大学, 農学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 落下行動 / 逃避行動 / 防衛行動 / 鱗翅目幼虫 / 植食性昆虫 / ハムシ科 / 植物構造 / コスト |
Outline of Research at the Start |
植食性昆虫は寄主植物から落下することで天敵から瞬時に逃れることができるが、餌場から離れるためコストが生じる。落下に伴うリスクとコストは、寄主植物の構造などによって変化しうる。例えば、植食性昆虫が木本植物から落下した場合、草本植物から地面に落下する場合と比べて、餌場から遠く離れやすくなる。したがって、餌場に復帰するのに伴うコストが木本植物の方が草本植物よりも大きい。このことから、コストの大きい木本植物を利用する種では落下行動が進化しにくいと考えられる。昆虫類の様々な分類群を用いて以上の仮説を検証し、植物の空間的構造が植食性昆虫の防衛行動の進化に与える影響を評価することが本研究の目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
植食性昆虫における落下行動の進化に寄主植物が及ぼす影響を明らかにするために、様々な分類群の植食性昆虫の落下行動を調査した。本年度は、鱗翅目幼虫の落下行動とそれらの寄主植物の生活型(木本植物か草本植物)との関係に注目した。 計7上科11科19種の鱗翅目幼虫を対象に、寄主植物上で見られた個体に捕食者による攻撃を模した刺激を与え、その際の防衛行動を観察した。落下行動を示した幼虫の割合は、木本植物を利用する個体では35.3%(種数で62.5%)、草本植物を利用する個体では39.5%(種数で54.5%)だった。つまり、落下行動を示す幼虫の割合は、寄主植物の生活型によって異ならなかった。これは、昨年度に調査した鞘翅目ハムシ科幼虫とは異なるパターンである。鱗翅目幼虫では、落下後に吐糸を命綱として用いてぶら下がる行動が頻繁に観察された。ぶら下がった幼虫は、糸を登り餌場である寄主植物の葉上へ復帰できる。つまり、鱗翅目幼虫にとって、葉上から落下するコストはハムシ科幼虫と比べて大きくないと考えられる。落下行動に伴うリスクやコストを軽減することができる鱗翅目幼虫では、寄主植物の生活型が落下行動の進化に及ぼす影響は小さいと考えられる。鱗翅目幼虫全体における落下行動の進化のパターンを考察するには、観察種数や個体数を増やすなどさらなる調査が必要とされる。 また 、鱗翅目幼虫の防衛行動を観察するなかで、シャクガ科の一種の幼虫は、天敵からの攻撃などの外部刺激を受けることなく自発的に葉上から落下し、吐糸でぶら下がる行動をとることを発見した。この行動は、薄暮時から夜間にかけて頻繁に観察され、数時間にわたってぶら下がり続けることを確認した。本種の寄主植物上には、ムカデ類やカマキリ類などの夜行性捕食者がしばしば観察された。したがって、本種の夜間にぶら下がる行動は、夜行性捕食者から逃れるためと考えられる。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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