Project/Area Number |
20J11421
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
本間 榛花 千葉大学, 医学薬学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2020: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 脱芳香族化 / 銀カルベノイド / スピロ環化反応 / 計算化学 |
Outline of Research at the Start |
高活性な化学種である金属カルベノイドは、金属の性質により異なる化学選択性を示すことが知られている。近年当研究室では銀カルベノイドの求電子的な性質を明らかにした。脱芳香化反応は入手容易な平面化合物から、医薬品に多く見られる立体構造を持つ化合物が得られるため、創薬研究において有用な反応である。銀カルベノイドの活用により、ナフトール類の水酸基を持たないベンゼン環の脱芳香化を実現可能であると考えた。さらに、特定の置換基を有するイナミドを用いたジアゾフリーな不斉脱芳香化カスケード反応への応用を期待し、本研究に着手した。高活性な新規不斉銀触媒を開発する事で不斉反応における化学・立体選択性の改善に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、「銀触媒の特性を活用したβ-ナフトール類の非典型的脱芳香族化反応」を纏めた。銀カルベンおよび銀カルベノイドは、他の金属とは異なる反応性を示すことが知られる。その特異な性質を活用し、これまでに未達成であったβ-ナフトール類のベンゼノイド環の脱芳香族化反応に挑戦した。博士後期課程1年次に決定済みであった最適条件を用いて基質一般性を検討し、最高収率96%にて9種類のスピロ環化体を合成した。本反応の反応機構を量子化学計算により解析した結果、銀カルベンを経由せずに、銀カルベノイドから直接環化が進行していることが明らかとなった。また、環化における活性化エネルギーを比較したところ、スピロ環化反応の活性化エネルギーは副反応として考えられるシクロプロパン化反応よりも低かった。そのエネルギー差により、本反応は高い化学選択性を示すことが判明した。さらに、スピロ環化反応における遷移状態では、反応設計時の予想とは異なり、配位子とナフトール水酸基の間には相互作用が働いていないことも明らかとなった。次に、求核剤一般性を検討したところ、水やインドールが適用可能であった。インドール付加反応に続く酸化反応をワンポットで行うことで、ナフトール類のベンゼン環が両方脱芳香族化したナフタレノンを合成した。本反応における基質一般性も検討し、最高収率>99%にて12種類のナフタレノンを合成した。更なる詳細な検討により、合成したナフタレノンの発色フッ素アニオンセンサーとしての有用性を証明した。フッ素アニオンと反応し、黄色から紫色への色の変化と吸収波長の長波長シフトを確認し、それら変化の要因を計算化学により明らかにした。計算の結果、フッ素アニオンがインドールのNHの水素原子と相互作用することで、インドールとナフタレノンの二面角が小さくなり、共役系が拡がることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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