高温高圧実験とフェーズフィールド法による相転移断層形成と深発地震の発生機構の解明
Project/Area Number |
20J12328
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
澤 燦道 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 深発地震 / かんらん石 / 相転移 / Griggs型固体圧変形試験機 / レオロジー / フェーズフィールド法 / Phase Field / 蛇紋岩 / やや深発地震 / 変形実験 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、沈み込み帯内部(深さ440 km以深)で発生する深発地震の発生機構の第一段階目と考えられているオリビン相転移に伴う断層運動に対して、断層形成に必要な粒径などの条件を明らかにする。そのために異なる粒径の出発物質の一軸圧縮実験を行う。 次に、先行研究のシリケイトオリビンのアナログ物質ではなく、ファイヤライトを出発物質とし、変形実験を行う。沈み込み帯に近い条件で断層が形成するかを放射光施設でのその場観察を行いながら検証する。 また、フェーズフィールド法を用いて、実験では実現不可能な沈み込み帯と同様の粒径やひずみ速度を設定した数値シミュレーションを行い、粒径やひずみ速度の効果を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
沈み込むスラブ深部(410-660 km)で発生する地震を深発地震と呼ぶが、その発生メカニズムに関していまだ不明な点は多い。岩石変形実験や地球物理的観測によって、かんらん石がより高密度なスピネル相に相転移する際に地震が発生するという相転移断層運動モデルが、深発地震の断層の動きはじめを担うと有力視されている。しかしながら、相転移に大きな影響を与える粒径の効果は明らかになっていない。 そこで、かんらん石のアナログ物質である細粒なゲルマニウムかんらん石多結晶体(数ミクロン)と粗粒な多結晶体(数百ミクロン)を合成した。多結晶体内の亀裂(断層)発生を検出するためのAEセンサーをつけたGriggs型固体圧変形試験機を用いて変形実験を行った。結果、細粒な多結晶体ではスピネルはオリビンの粒界で主に相転移し、粗粒な多結晶体では粒内で主に相転移していた。細粒な多結晶体と粗粒な多結晶体の両方で亀裂発生が検出されたが、そのタイミングや大きさが異なっていた。この違いが地球物理的観測によって得られるパラメータに影響している可能性がある。現在この結果に関して論文投稿準備中である。 相転移断層運動モデルにおいて、変形が局所化するほどの急激な相転移がどのように進むのか、いまだ統一的な見解は存在していない。そこで相転移組織の時間発展を計算できるPhase Field法を用いて、相転移のシミュレーションを行った。塑性ひずみを考慮すると、スピネルへの相転移は急激に進んでいくが、塑性ひずみを考慮しないと相転移の速度が徐々に遅くなることが明らかになった。塑性ひずみがスピネルへの相転移を促進し、変形の局所化につながっている可能性がある。現在この結果は論文としてまとめ、国際誌で査読中である。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(2 results)
Research Products
(11 results)