セルロースの熱分解反応制御による有用ケミカルス生産
Project/Area Number |
20J12367
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 40020:Wood science-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野村 高志 京都大学, エネルギー科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2020: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | セルロース / 熱分解 / レボグルコサン / 赤外線加熱 / 高速カメラ観察 |
Outline of Research at the Start |
化石資源の代替となるセルロース系バイオマス資源(木材など)からの有用ケミカルス生産は化石資源に頼らない持続可能な社会を実現するために重要である。無酸素条件下で加熱処理する熱分解手法は物理的・化学的に安定なセルロースを効率的に分解できる一方、生成物の選択性が低いことが問題である。本研究ではセルロースの熱分解反応を芳香族溶媒や急速熱分解を用いて制御することでセルロースを高選択的に有用ケミカルスへと変換する手法を開発することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
地球温暖化等の環境問題や化石資源の枯渇によるエネルギー及びケミカルス源の確保が困難になる将来を見据えると、木材に代表される再生産可能なセルロース系バイオマス資源の変換によるケミカルス生産は重要な意義を持つ。熱分解は化学的・物理的に安定なバイオマス資源を効率的に分解できる手法であり、2020年度の検討において赤外線加熱を用いたセルロースの急速熱分解がプラスチックや医薬品の原料となるレボグルコサンの生産に有用であることを見い出した。2021年度ではこのような背景から、セルロースの赤外線加熱の特徴について更に検討し、分解メカニズムについて明らかにする検討を行った。 具体的な検討として高速カメラを用いた赤外線照射中のセルロース熱分解挙動の直接的な観察を行った。その結果、電熱炉等を用いた加熱とは異なる赤外線照射特有の熱分解挙動が観察された。具体的には、薄いシート状のセルロース試料では、反応初期において赤外線を吸収しやすい着色物質が生成し、その部分が赤外線をより吸収し易いため高温となり、その部分を中心として同心円状に熱分解が進行することが分かった。一方、粉末セルロースを容器に入れてある程度厚みをもたせた場合では表面の極一部において熱分解物の液滴が生じ、厚さ方向へ順次分解が進行することが分かった。これは通常の伝熱による加熱では認められない赤外線加熱に独自の特徴であり、赤外線加熱ではセルロースの試料量によらず一定の収率でレボグルコサンを得られる。これはセルロース系バイオマス資源の変換における重要な知見であり、多量のセルロース系バイオマス資源を一度に処理できるという点で工業的似も意義のある発見である。このような成果については学会において発表している。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)