サンクコスト効果の発生メカニズムの解明:理論と実験と応用
Project/Area Number |
20J12595
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 07010:Economic theory-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川中 大士朗 大阪大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 公理論的意思決定理論 / 実験経済学 / 行動産業組織論 / 損失回避 / 不確実性回避 / 社会的選好 / 後悔回避 / 認知的不協和 / 行動経済学 / ゲーム理論 / 意思決定理論 / 応用ミクロ経済学 |
Outline of Research at the Start |
合理的な意思決定主体は過去に支払った埋没費用(サンクコスト)とは無関係に意思決定を行うが、現実の人間はしばしばサンクコストから影響を受けることが知られており、これを「サンクコスト効果」と呼ぶ。この「サンクコスト効果」は経済学、経営学、心理学など多岐に渡る分野で観察されその重要性が認められているものの、現象が発生するメカニズムについては未だに明らかになっていない。本研究では、ゲーム理論、意思決定理論および被験者実験といった手法を用いて「サンクコスト効果」の発生メカニズムを明らかにし、数学的に行動モデルとして定式化し、それを経済学、経営学、政治学などの諸問題の分析へと応用する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,サンクコスト効果と関係している可能性のある行動バイアスについて,理論的および実験的な研究を行った.具体的には不平等回避や罪悪感回避などの社会的選好(Fehr and Schmidt,1999),不確実性回避(Gilboa and Schmeidler,1989),単調性(Anscombe and Aumann,1963)に関する諸アノマリー,期待ベース型の損失回避(Koszegi and Rabin 2006),後悔回避(Zeelenberg,1999),認知的不協和(Suzuki,2019)などの行動バイアスを分析した.結果として,Friedman, Pommerenke, Lukose, Milam and Huberman (2007), Ashraf, Berry and Shapiro (2010), Augenblick (2016)などの先行研究によって報告されているサンクコスト効果のパターンを説明するための行動モデルを特定することができた.このモデルは,本研究とは同時期かつ独立に研究されたEyster, Shengwu, and Ridout (2021)のワーキングペーパーにおいて提唱されたモデルを改善すると同時に,公理論的な基礎を与えていると評価される.本研究のモデルはサンクコスト効果を伴う経済モデルに応用できるとともに,公理化されたモデルはサンクコスト効果を検証する実証・実験研究をデザインする上で有用であると考えられる.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)