Project/Area Number |
20J12793
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 40020:Wood science-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大長 一帆 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | セルロースナノファイバー / 結晶性 / XRD / NMR / セルロース科学 |
Outline of Research at the Start |
セルロースナノファイバー(CNF)は、製紙用パルプをナノレベルにまで解きほぐすことで得られ、再集積させるとフィルム状の「透明な紙」が形成できる。本研究では、高分散CNFの双晶形成により、「透明な紙」を高結晶化する基盤技術を構築することを目的とする。高分散CNFの高結晶化により、次世代の電子デバイス基材や高機能包材として活用が期待される「透明な紙」の課題とされる性能向上に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
セルロースナノファイバー(CNF)とは、樹木の細胞壁を「ミクロフィブリル単位」または「微細なミクロフィブリル束」にまで解きほぐした新素材である。CNFは、結晶性であり、鋼鉄の1/5の軽さで5倍強く、ガラス並みに熱膨張せず、絶縁性であり、比誘電率も高いなど、優れた特性を併せもっている。 CNFは水分散体として通常得られ、化粧品や食品の添加材として一部実用化されている。その他、乾燥を制御することで電子デバイス基材や高機能包材として活用できる「透明な紙」や、住環境や自動車の窓にも適用できる「透明な断熱材」といった付加価値の高いCNF会合体を形成することができる。 近年はCNFの量産体制が整い、学術分野においてもCNF関連の論文数が飛躍的に増加している。しかしながら、CNFの実用化は極めて限定的であり、期待していたCNF特性が発現しないなどといった本質的な課題が浮き彫りとなっている。このような背景には、CNF構造の理解が著しく遅れていることが挙げられる。そこで本研究では、CNF固有の機能・性能に係わる「結晶性」に着目し、CNF構造の精密解析を進めた。 CNFの分散・会合と結晶性との相関を解析したところ、1)細胞壁の解きほぐしが進み、CNFの分散性が高まると、結晶性が低下する、2)分散したCNFを再度会合させると、分散により低下した結晶性が回復する、3)会合により結晶性が回復すると、物性も向上する、ということが明らかになった。すなわち、CNFの結晶性はCNF間の界面構造が支配しており、分散・会合により物性を制御できると言える。これまで、CNFの結晶性を操作した例はなく、一度低下した結晶性は不可逆であるというのがこれまでの理解であった。CNFの分散と会合はCNF生産プロセスに必ず組み込まれる。したがって、本研究で見出した新規な現象は、CNFの実用化を推進する基盤技術の構築に貢献すると考える。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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