Project/Area Number |
20J13133
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 32020:Functional solid state chemistry-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中村 俊太 慶應義塾大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | テトラセン / 分子ワイヤ / 一重項分裂 / 励起子輸送 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、近接二分子間で一光子吸収から二励起子が生成する光物理過程である一重項分裂 (SF) と分子間を励起子が移動する現象である励起子輸送を組み合わせることによる光機能の発現を目指す。具体的には、SFを進行することができる分子であるテトラセンの一次元的な分子ワイヤを合成し、SFを介した励起子輸送を観測する。そして、分子ワイヤを集積化し、ナノシートを合成することで二次元的な励起子の輸送、最終的にはシートの積層による三次元的な励起子輸送を実現し、光エネルギー変換特性や発光特性を評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
一光子から二励起子が生成する光物理過程である一重項分裂 (SF) を用いることで、光エネルギー変換の変換効率の大幅な向上が期待されている。しかしながら、解決すべき課題も多く、その一つは、強い色素間相互作用による励起子の迅速な失活である。そこで、申請者は励起子の失活を抑制するための戦略として一次元的な分子ワイヤにおける励起子輸送という現象に着目した。本研究では、SFを進行することができる分子であるテトラセンの一次元的な分子ワイヤの合成、またSFを介した励起子輸送過程の観測および機構解明を目的とする。 本年度は前年度の達成項目を踏まえ、温度依存過渡吸収をはじめとする各種高速分光によるSFおよびそれに続く励起子輸送の詳細なメカニズムの解明を目標として掲げた。 まず、テトラセン分子ワイヤに対して温度依存過渡吸収測定を行い、熱力学的なパラメータに関する解析を行った。その結果、テトラセンユニット数が増加するごとに相関のある三重項対状態から独立した三重項状態への開裂過程における活性化エントロピー変化の値が大きくなり、また末端にエネルギーアクセプタ部位を導入した分子ワイヤにおいて最も大きな活性化エントロピー変化を示した。以上により、ユニット数の増加及びアクセプタ部位の導入によって励起子輸送が発現するだけではなく、三重項量子収率が増加することがわかった。また、活性化エントロピー増大のメカニズムとして、ユニット数の増加による活性化状態数の増加、並びにエネルギーアクセプタ部位の導入による振電相互作用が寄与していることが明らかになった。以上のように、分子ワイヤにおけるSFおよびそれを介した励起子輸送過程において温度依存過渡吸収測定を行い、詳細な熱力学的パラメータを決定することでメカニズムを解明した例は皆無である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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