配位子保護金超原子の表面柔軟性の制御とその内部構造への影響の解明
Project/Area Number |
20J13652
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 32010:Fundamental physical chemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
重田 翼 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 金超原子 / 配位子保護金クラスター / フォトルミネッセンス / ファンデルワールス相互作用 / クロスカップリング |
Outline of Research at the Start |
金クラスターは、原子に似た離散的電子構造を持つことから超原子とみなすことができる。この金超原子は、表面を有機配位子で保護することで安定化合物として取り扱うことが可能である。一般的な原子と異なり、金超原子は内部自由度を持つ。特にその表面構造は非常に柔軟であり、金超原子の物性に大きな影響を及ぼす。本研究では、配位子保護金超原子の配位子間を有機分子で架橋することにより表面の柔軟性を制御する。このとき、架橋材となる分子の種類、当量により架橋の度合いを能動的に変化させる。架橋の進行により表面の柔軟性が低下するつれて、金超原子の物性や内部構造がどのように変化するのかを系統的に調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、配位子保護金超原子のコア表面の柔軟性を配位子層によって制御する。その結果として物性がどのような変調を受けるのかを調べる。2020年度は以下の2つのテーマに取り組んだ。 (1)デンドリティックチオラート配位子の合成と導入 本テーマでは、配位子間のファンデルワールス相互作用により金超原子表面を剛直化することを目指した。具体的には、多数のベンゼン環を側鎖に持つデンドリティックチオール (DenSH)を合成し、配位子として金超原子に導入した。配位子側鎖間のCH-π/π-π相互作用により金超原子表面が剛直になるかどうかを検討した。DenSHは、配位子交換反応により金超原子に導入した。配位子が一部DenSに交換したものが生成物として得られた。生成物の発光スペクトルを測定したところ、配位子交換数が増えるにつれて発光強度が増加していた。これは、DenS配位子間のCH-π/π-π相互作用により金超原子コア表面が剛直化、無輻射遷移が抑制されたためだと考えられる。また、発光強度の増加率は金超原子によって異なっていた。コア構造の違いによって剛直化の度合いが変わることが示唆される。 (2)クロスカップリング反応による配位子間の架橋 本テーマでは、配位子間を炭素-炭素結合で架橋し金超原子表面を剛直化することを目指した。具体的には、代表的なクロスカップリング反応である鈴木-宮浦カップリングにより、配位子間をリンカー分子で繋ぐことを試みた。3-ブロモベンゼンチオールで保護された金超原子について、配位子側鎖をリンカー分子である1,3-ベンゼンジボロン酸ビスピナコールとクロスカップリングすることを試みた。高活性な市販Pd触媒であるPEPPSI触媒を用いて反応を行なったが、架橋生成物は得られなかった。反応が進行しなかった理由として、ブロモ基周辺の立体的な影響が考えられる。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)