筋幹細胞分泌因子Sema3Aによる筋線維型制御機構の食品機能学的調節
Project/Area Number |
20J13712
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 42010:Animal production science-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松吉 祐児 九州大学, 生物資源環境科学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2021: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 骨格筋 / 筋幹細胞 / 衛星細胞 / Sema3A / 神経筋接合部 / 筋線維型 / 食品機能性 |
Outline of Research at the Start |
骨格筋を構成する筋線維は、その特性の違いから遅筋型と速筋型に分類される。遅筋型筋線維は速筋型に比べ、疲労耐性や脂質代謝能が高く筋委縮も起こりにくい。さらに鉄分やタウリンなどの機能性栄養成分の含量も多いといった特性を持つ。後天的な変換が可能である筋線維型の制御は、その特性を利用した筋持久力の向上、生活習慣病の予防、健康寿命の延長、食肉への付加価値提供など幅広い分野への貢献が見込まれる。 本研究は新奇の筋線維型制御機構の解明に始まり、その機構を応用した食品成分による筋線維型の制御を目的としている。運動に比べ制限の少ない食品機能学的な筋線維型の制御は、様々な状況下で効果を発揮することが期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究成果より、クロロゲン酸がSema3A依存的な遅筋型筋線維形成機構を活性化させることが明らかとなったため、そのメカニズム解明に取り組んだ。まず、上記の結果は初代培養系でによって得た結果のため、筋衛星細胞以外の細胞がクロロゲン酸の影響を受けたことで何らかの影響を及ぼした可能性があった。そこでマウス由来筋芽細胞を用いてクロロゲン酸の添加実験を行った結果、初代培養系と同様の結果を得た。これにより他の細胞が間接的に関わっている可能性を否定しつつ、クロロゲン酸はマウス・ラット間を超えて効力を持つことが示された。またこれまでの研究によりクロロゲン酸によるSema3Aに依存的なシグナリング軸の活性化が筋幹細胞由来のSema3Aとは独立して効果を発揮していることから、クロロゲン酸がSema3A細胞膜受容体(neuropilin2-plexinA3)のアゴニストになっているという仮説を立てた。これを検証するため、neuropilin2に対する中和抗体を用いたクロロゲン酸の添加実験を行ったが、この実験では有用なデータを得る事ができなかった。 更なる応用分野への発展として、筋幹細胞分泌因子であるSema3Aの生理機能の追究を行った。筋衛星細胞特異的にSema3Aを欠損できる遺伝子組換えマウスを用いて、筋損傷・回復時における変化を観察した。以前より筋損傷時に筋衛星細胞特異的にSema3Aを欠損させると、遅筋型筋線維の割合が大きく減少することが確認されていた。今回の実験では新たに、再生初期において運動神経からの伝達を担うアセチルコリン受容体を構成するサブユニットの発現量が低下することを確認した。しかし回復後の神経筋接合部の形態に差は見られなかった。これは本実験で用いた筋損傷方法による影響が考えられるため、他の損傷方法で検証する必要がある。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)