Project/Area Number |
20J13738
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
紀本 夏実 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2020: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | フォトンカウンティング / 実効原子番号 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は,医療に用いられている一般X線撮影(レントゲン撮影)において,組織の実効原子番号や密度などの物理的な情報を反映した新しい定量化画像を生成する検出器を開発することである.被写体の物理情報を解析するためには,画像の形成に寄与するX線光子一つ一つのエネルギー情報が必要である.本研究ではエネルギー弁別能を持つフォトンカウンティング型検出器を利用し,検出器が出力するエネルギー情報に対して独自の解析アルゴリズムを適用し,被写体の情報を導出する.本研究によって,定量化画像の生成が実現できれば,新しい診断手法を確立し,一般X線撮影の利用価値が高まることが期待される.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,医療の一般X線撮影(レントゲン撮影)において,被写体の実効原子番号や密度などの物理学的な情報を反映した定量化画像を生成する検出器を開発することである.物理学的な情報を解析するためには,画像形成に寄与するX線光子一つ一つのエネルギー情報が必要である.本研究では,エネルギー弁別能を持つフォトンカウンティング型検出器に着目し,複数のエネルギー帯域における被写体を透過したX線の減弱量の違いに対して独自に開発した物質同定アルゴリズムを適用することで,被写体の情報を導出することを試みた. 高精度な物質同定を達成するためには,X線のエネルギー情報を乱す要因である被写体固有のビームハードニング効果や検出器内の放射線物理現象に起因する応答特性の影響を補正する必要がある.これらの影響を定量的に見積り,被写体に応じて正しい補正を選択できるようにデータベースを構築し,二次元画像の生成に向けた高速演算可能なアルゴリズムへ拡張した.解析アルゴリズムの検証のために,実効原子番号が既知であるサンプルを測定し,厚みに寄らず実効原子番号画像を正しく生成できることが分かった. 画像の生成の過程において,実効原子番号画像だけでなく,従来のX線画像も同時に生成できるようにシステムを設計した.実効原子番号画像の生成に伴う過剰なX線被ばくを最小化し,臨床応用が円滑に進むように研究をデザインした.従来X線画像による定性的な診断に,新しい定量的な診断価値を付加することで,飛躍的に診断能が向上することが期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
被写体の実効原子番号を正しく同定するために,ビームハードニング効果と検出器の応答特性の補正手法を組み込んだアルゴリズムの開発を行った.ビームハードニング効果は,医療で対象となる被写体を網羅するように,さまざまな原子番号や厚みに対する効果の違いを分析した.検出器の応答特性は,X線と検出器物質との物理的な相互作用,及び電気的な影響をシミュレーション計算により定量的に見積もった.これらの影響を統合したデータベースを構築し,被写体に応じて正しい補正を行えるアルゴリズムを整備した. 解析アルゴリズムの適用可能性を評価するために,試作機を用いた実証実験を行った.実効原子番号が既知であるサンプルを測定し,同定精度の解析から正しく実効原子番号画像を生成できていることを確認した.
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Strategy for Future Research Activity |
実効原子番号画像の有用性を示すために,抜歯や魚などのサンプルを測定し,従来画像との比較に基づいた評価を行う.また,実効原子番号の情報を基に,骨密度などの新たな物理情報を抽出する解析手法を開発し,定量化画像診断の実現に向けた研究を発展させる.
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