Project/Area Number |
20J14163
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 啓太 東京大学, 東京大学大学院 人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 暗黙理論 / マインドセット / 教育制度 |
Outline of Research at the Start |
「人間の能力は努力で変わるかどうか」という信念は暗黙理論と呼ばれ、学業・スポーツ・仕事など私達の日常の課題達成に大きな影響を与える。しかしその重要性に関わらず、人がどのような暗黙理論持つようになるかという問題は十分に検討されていない。本研究は暗黙理論の文化差が生成・維持されるメカニズムを検討することで、この問題の解明への貢献を目指すものである。具体的には、課題変更が難しい環境では特定の課題に努力を注力させる増加理論(能力は変わるという信念)を持ちやすくなるという仮説の検討を、教育制度における課題変更の容易さが異なる日米での比較調査や、課題変更の容易さを操作する実験室実験を通じて行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、能力の可変性に関する信念である暗黙理論の文化差が生成・維持されるメカニズムを検討することである。暗黙理論はモチベーションの維持を通じて、私たちの課題達成に影響を与えるため、それが文化的に生成・維持されるメカニズムは心理学で明らかにすべき重要な問題である。この目的に則し、暗黙理論を持つことの行動的・認知的帰結をより詳細に明らかにするため、2つの実験を実施した。 実験1では、複数課題場面において、能力を可変的に捉える増加理論者は特定の課題に努力を注力し熟達することで成果の最大化を図る(課題熟達方略)一方、能力を固定的に捉える実体理論者は適性のある課題を探索することで成果の最大化を図る(適性探索方略)という仮説を検証した。課題の選択肢が複数あり、取り組む課題を選ぶために課題の中身を「観察」する機会と、課題の練習を行う「熟達」の機会があるとき、成果を最大化するためにどちらの機会を多く取るかを観察した。この時、「観察」機会と「熟達」機会をとる回数の合計を20回と定め、どちらか一方の機会を多く取ろうとすると、もう一方の機会が減ってしまうトレードオフ構造にした。実験の結果、実体理論的傾向が強い参加者ほど観察する機会を多く、増加理論的傾向が強い参加者ほど熟達の機会を多くとっていることが明らかになり、仮説を支持する結果が得られた。 実験2では、実体理論者は努力を成長の資源として重視しないとされてきた従来の知見に対して、彼らが課題に選択肢がある場面で、適性のある課題を判断するための情報として努力を重視する可能性を検討した。この予測を支持する結果が得られた一方で、増加理論者も努力を情報として捉える傾向を一部示しており、努力を成長の資源として重視する増加理論者と、努力を適性評価の情報として重視する実体理論者、という二項対立的な分類は必ずしも適切でない可能性が示唆された
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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