Project/Area Number |
20J14287
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
葉 暁瑶 総合研究大学院大学, 文化科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 京都 / 戦後 / 文学 / 川端康成 / 戦争 / 表象 |
Outline of Research at the Start |
本研究は京都イメージが戦後文学においてどのように作り出されたのかを明らかにする視点から、特定の作品における京都表象を分析し、戦後文学に登場する「京都」と当時の京都の実態とのズレを見出し、京都イメージを構築した作家の作為性を浮き彫りにすることを目的とする。その方法として、一九四五年から一九七○年の二十五年のあいだ、文学作品における「京都」に焦点を合わせ、京都と他の都市との表象比較を加えることを通じて、戦後文学における「京都」を総合的に解明する。これにより、硬直しかかっていた「京都」を和らげるような論点を形成し、日本で構築された「戦後」イメージを理解する地平を広げようと試みたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度発表された論文の引き続きとして、川端康成の他作品における京都をめぐって、その場所の位置づけを考察した。本年度に発表された三本の論文に川端の『虹いくたび』と「たまゆら」が取り上げられている。拙稿「生者を傷つける死者との回路―川端康成『虹いくたび』」では特に、桂離宮という場が実は戦死者と共通する時空として造型されていることを指摘した。また、拙稿「旅と世代継承―川端康成「たまゆら」論」では、観光人類学の視点を導入し、作品主人公がゲストの立場に満足せず、ホストの立場を求め続けている「旅人」のスタンスを示していることを明らかにした。 なお、作品における「京都」を考察するに際して、対照軸となるほかの主要舞台は見過ごせない。拙稿「日比谷と浅草から離れる人々―川端康成『東京の人』を中心に」では、「新しい日本」と「古い日本」の両極を象徴した司令部と皇居との対立の構図は、人々の東京を離れようとする契機になったことを明らかにした。 以上のように本年度は、川端康成の作品における京都、および京都と対照になる東京に焦点をあて、「京都」の位置づけを探求し、時代にともない「京都」が作品において異なる役割を果たしていることを指摘できたと考える。それらの研究成果を踏まえつつ、さらなる作品についての読解も行われ、川端康成の戦中・戦後に書かれた作品を中心に、京都の表象に関する研究を進めた。その成果として、博士論文を提出することができた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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