チタン系酸フッ化物大型単結晶の電気化学的育成と光機能性の開拓
Project/Area Number |
20J14378
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 36010:Inorganic compounds and inorganic materials chemistry-related
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
千葉 裕介 神奈川大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2020: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 電気化学的結晶育成 / 複合アニオン化合物 / チタン酸フッ化物 / 電子ドープ化合物 / 光触媒活性 / 高温溶融塩電解 |
Outline of Research at the Start |
チタン酸フッ化物は、可視光応答光触媒活性や蛍光特性などを発現する興味深い研究対象である。詳細な結晶構造解析や物性測定のために大型の単結晶試料が必要とされる一方で、本化合物の単結晶育成手法は現在のところフラックス法や水熱法などに限定される。本研究では、定電圧条件下における高温溶融塩電解を駆使したユニークな電気化学的アプローチにより新規チタン酸フッ化物の大型単結晶の育成を試みる。加えて、水分解光触媒活性など、育成したチタン酸フッ化物単結晶の光機能性の開拓を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず単結晶X線回折によるLi-Ti酸フッ化物Li2Ti(O,F)3の結晶構造精密化を実施した。構造は立方晶系、空間群Fm-3m (no. 225) を仮定し、分析組成を採用することによって信頼度因子R1 = 1.84%, wR2 = 4.92%で最適化された [a = 4.13842(14) Å, V = 70.877(7) Å3, Z = 4, Dcalc = 3.493 g/cm3]。カチオンサイト(Li/Ti/□,□は空孔を示す)は6つのO2-またはF-イオンに配位され正八面体を形成する。精密化されたLi/Ti/□-O/F平均結合長 (2.06921(8) Å) は6配位のLi+とO2-のイオン半径の和 (2.16 Å) よりも短く、イオン半径の小さなF-イオンの部分占有を反映していると考えられる。本研究成果を国際英文誌1報 (Inorg. Chem. 2021, 60, 14613-14621) で発表した。また当該論文は掲載号のカバーアートに選出された。 これに加えて本年度は、Li2Ti(O,F)3に次ぐチタン酸フッ化物の電気化学的結晶育成の二例目として、フッ素ドープCaTiO3結晶の育成を試みた。溶融塩にNa2MoO4-NaF-CaMoO4混合物を用いた結果、Na/Mo/F共ドープCaTiO3結晶(約0.2 mm)が得られた。ドーパント濃度は印加電圧を制御することによりコントロールできた。本研究で得られたNa/Mo/F共ドープCaTiO3結晶は濃い褐色~黒色を呈しており、可視光の照射下で駆動する高活性な光触媒材料の候補となりうる。ペロブスカイト型チタン酸化物への金属共ドープ(La3+/Cr3+やNa+/Mo6+など組み合わせ)やF-ドープは光触媒活性の向上に有益であることが示されている。したがって、将来的な可視光下での光触媒活性評価の実施が期待される。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)