Project/Area Number |
20J14512
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 02070:Japanese linguistics-related
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
池田 來未 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2021: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2020: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 複合動詞 / 完遂 / 文法変化 / 文法史 |
Outline of Research at the Start |
現代語には「読み通す」「耐え抜く」など、〈完遂〉の意味を表す複合動詞が複数存在するが、それぞれ意味に違いがあり、使い分けがなされている。このような差異には、複合動詞の歴史的な用法変化の違いが関わると考えられる。また、〈完遂〉を表す複合動詞群は時代を経て一部が淘汰されたり意味が変化したりして現代の使い分けになったと推測される。 本研究では、歴史的競合関係という観点から〈完遂〉を表す複合動詞が分化・統合する過程を上代~近代の文献を基に明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、「~ハツ」「~ヌク」といった動作の〈完遂〉を表す複合動詞の意味的な用法が通時的にどのような変化をたどってきたのかについての調査を行った。本研究では、特に複合動詞前項がどのような時間的特徴を持った動詞なのかを先行研究をもとに分類し、それを主な基準として用法分類を行った。また、〈完遂〉を表す複合動詞がどのような歴史的過程を経て現在の使い分けに至ったのか明らかにするために、複合動詞相互の比較を行った 本年度は「~ハツ」「~ヌク」の調査を中心に行い、これらの複合動詞と比較するために「~オワル」等の調査を行った。まず、書籍や論文等を用いて先行研究の調査を行い、そこから参考にできる部分及び現状の課題を整理した。さらに上代から近代の資料を用いて用例採集を行い、先行研究を参考にしつつ用法の分類を行い、歴史的な用法の変遷過程及びその要因を明らかにした。 さらに、これまで調査してきたものを含む〈完遂〉を表す複合動詞相互の関係を考慮に入れ、これら複合動詞の通時的な影響関係や棲み分けについて検討した。「~トオス」「~ヌク」といった複合動詞では〈通過〉や〈抜出〉といった後項「トオス」や「ヌク」のもともと持っていた語彙的な意味が複合動詞の用法にも反映されるため、前項にくる動詞が限定的になりやすいことが分かった。また、「~ハツ」の〈完遂〉用法はしだいに衰退していくが、これには、「~ハツ」内部の用法の変化だけでなく、「~オワル」がしだいに〈完遂〉を表す複合動詞として多用されるようになったことも関係していると考えられる。 「~ヌク」「~ハツ」については論文化を行い(「~ハツ」は未刊行だが論文の掲載が決定している)、これまでの調査結果をまとめた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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