Project/Area Number |
20J14522
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 46010:Neuroscience-general-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
衛藤 光 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ポリコーム / Ring1 / PcG / 大脳背腹軸制御 / モルフォゲン / 領域誘導 / BMP / Wnt |
Outline of Research at the Start |
哺乳類の大脳は発生早期に背腹軸に従って異なる組織が形成され、各組織が大きく異なる機能を持つため、背腹軸に沿ったパターニングは大脳の正常な構築の根幹となる非常に重要なステップである。この背腹軸に沿ったパターニングには、モルフォゲンが領域決定に関わる転写因子の発現を誘導することがよく知られているが、モルフォゲンの活性や転写因子の発現を特定の領域に限定し、領域の特徴を決定づける仕組みは未だに明らかになっていなかった。 本研究では、申請者が見出した、大脳における「ポリコームによる領域特異的な遺伝子発現制御」に注目し、誘導から頑強性の獲得までに至る、領域形成過程全体を結びつける制御機構の解明に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、発生早期大脳が背腹軸に沿った領域形成を行う段階において、領域を誘導するモルフォゲンの発現パターンの形成にエピジェネティック制御因子であるポリコーム群タンパク質複合体 (PcG) を介した制御が必須であることを発見し、その過程で背側誘導モルフォゲンであるBMP, Wnt経路のリガンド遺伝子の発現をPcGが抑制する可能性を見出した。 BMP, Wntリガンド遺伝子は背側正中領域に限局して発現するため、領域間でPcGによる抑制状態が異なる可能性が考えられた。H3K27me3 (PcGを構成する複合体PRC2によるヒストン修飾), Ring1B (PcGを構成する複合体PRC1の必須構成因子) のゲノム上の分布量を解析した結果、リガンド遺伝子Bmp4, Wnt8bの遺伝子座において、背側、腹側の神経幹細胞と比較して背側正中領域の神経幹細胞では分布量が少なかった。従って、PcGによる領域特異的な抑制がBmp4, Wnt8bの背側正中領域に限局した発現に重要である可能性を見出した。 また、Ring1の欠損によるBmp4, Wnt8bの発現パターンの変化をin situハイブリダイゼーション法で評価した結果、正常型の大脳では背側正中領域にシグナルが限局した一方、Ring1欠損大脳では腹側領域までシグナル陽性領域が拡大していた。従って、Ring1がBmp4, Wnt8bの発現パターンの制御に必須であることを示した。 さらに、PcGが背腹領域情報の形成後の維持の段階にも貢献する可能性を検証した。Ring1を薬剤依存的に欠損するマウス胎仔の大脳背側領域の神経幹細胞を初代培養し、Ring1の欠損と同時にBMP経路を活性化させた。その結果、培養早期では領域特異的遺伝子がRing1欠損非依存的に発現誘導された一方で、より後期では発現誘導量はRing1の欠損に依存的だった。従って、領域特異的遺伝子の発現がPcG非依存的な許容状態からPcG依存的な抑制状態に転換する可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)