Project/Area Number |
20J14619
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 13040:Biophysics, chemical physics and soft matter physics-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊辻 卓真 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ソフトマター物理 / 計算科学 / 水素結合 / 過冷却水 / ガラス / 分子シミュレーション / マルコフ状態モデル |
Outline of Research at the Start |
水素結合は主に溶液中の化学反応などにおいて着目されており、特に水素結合は液相としての水のダイナミクスを決める主要な因子として考えられている。そのため水素結合によって形成されたネットワークの破断メカニズムを分子論的に理解するための理論・実験研究が数多くなされてきた。本研究では過冷却水中での協働的運動を伴う水素結合破断を対象に、協働的運動を支配する中距離的な秩序構造の特定を通して、その遷移状態を正しく規定する反応座標の抽出を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
過冷却水中で引き起こされる、水素結合破断に伴う水分子間の協働的運動を明らかにするために、3つの研究を行なった。 (1)過冷却水中での水素結合破断に伴う多体構造間の構造変化を理解するために、マルコフ状態間モデルを用いることで、水分子3分子間で引き起こされるアクセプター切り替え運動に伴う3分子間の構造および周囲の水素結合本数の変化を解析した。この研究により深い過冷却状態では水素結合ネットワークに沿って引き起こされるが顕著となることを明らかにした。 (2)過冷却水中でみられるケージ効果を理解するために、水素結合ネットワークのダイナミクスを基準に分子の運動をケージに囚われた状態とケージから解放された状態に分割を行なった。さらに連続時間型ランダムウォークモデルに則り、ケージの時間に対する特性を求め、全体の運動性との間を形式化した。これにより分子レベルの局所的な構造変化から、全体の運動性が示す過冷却水中での複雑な温度依存性を解明した。 (3) 分子動力学計算で得られた状態間での遷移確率の結果と分子構造の関係を深層学習により求め、説明可能AIを利用することで、遷移を決定する分子構造の抽出を行なった。深層学習を利用することで、過冷却水中での水素結合破断のように多くの分子を伴う運動についても、その遷移を支配する構造の特定が期待される。 この3つの研究結果についてそれぞれまとめ、論文として発表・発表準備中である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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