Project/Area Number |
20J14722
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 02040:European literature-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長島 真以於 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2021: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 西洋古典受容 / 12世紀ルネサンス / 叙事詩 / 写本 / ラテン語 / アイルランド語 / ケルト学 / 古典文献学 / 翻案 / 古注 |
Outline of Research at the Start |
古代ローマの叙事詩 De Bello Civili のその中世アイルランド語翻案 In Cath Catharda の成立過程の研究を通じて、12世紀ルネサンス下のアイルランドと大陸の知的交流の実態を解明する。具体的には、翻案に於ける改変箇所と、原典の写本に付随する10世紀以前のスコリア、および11-12世紀にフランス北部で活躍した2人の magister によるコメンタリーを比較検討し、それら改変箇所の典拠、およびそれらに於ける異読の問題を明らかにする。古典学・愛語文学・中世史学の垣根を越え、全ての異教古典叙事詩の翻案作品研究に応用可能な、新しい古典文献学的研究手法を提示することを目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の前半は、古代ローマの叙事詩Bellum Civile(BC)の中世アイルランド語翻案In Cath Catharda(CCath)に於ける改変箇所の典拠探索に取り組み、所謂「12世紀ルネサンス」下で成立した作品同時代のBC注釈の影響を検討した。9月からはケンブリッジ大学で在外研究を行い、受入研究者Ni Mhaonaigh教授の指導の下で研究に取り組んだ。期間中には、ベルリン州立図書館を訪れ、未刊行のBC古注が含まれ、デジタル化されていない複数の写本の調査を実施し、CCathの複数の箇所に於いて、MS lat. fol. 34に現存し、しばしばラーンのアンセルムス(1117年没)の作と言われるBC注釈の影響を明らかにした。この結果は、前年度検討したオルレアンのアルヌルフのBC注釈(1170-1214年の間に執筆)の影響と合わせて、論文として発表された。
後半は、CCathの未校訂写本の現地調査と、写本伝承の研究に取り組んだ。まずは、いまだ唯一のテクストであるStokes(1909年)に於いて、彼が校訂した4写本がα系統とβ系統に大別できることを示し、1写本以外が全て断片であることから、現状のテクストを用いての典拠探索には問題が残るということを確認した。続いて、ケンブリッジ大学所蔵の写本MS Add. 3082、トリニティ・カレッジ・ダブリン所蔵のMS 1337、ロイヤル・アイリッシュ・アカデミー所蔵のMS D I 1をいずれも現地で調査した。これらは順に、α、α、β系統に所属し、いずれも、Stokesの校訂本では報告されておらず、本文に採用されるべきと思われる異読を伝えていることが明らかになった。この成果の一部は、欧米各地のケルト学者を招き、ケンブリッジ大学で開催されたワークショップに於いて、口頭で発表された。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|