Project/Area Number |
20J14836
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 32020:Functional solid state chemistry-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 要二郎 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | プロトン‐電子相関系 / 金属ジチオレン錯体 / プロトン‐電子混合伝導 |
Outline of Research at the Start |
電子系と水素結合中のプロトン運動がカップルする電子-プロトン相関系では、指向性外場によるプロトン運動の制御を通じて、従来の電子系に比べ多彩かつ精密な電子物性制御が期待できる。本研究では、プロトンの脱着に伴い電子構造が変化する金属錯体を基に電子-プロトン相関系の構築を目指す。また、得られた相関系について温度や圧力、電場などの外場印加下で伝導度・静磁化率・誘電率測定等を行うことで、電子系単体では実現し得ない電子-プロトン相関に由来する新奇物性の発現を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
固体中で水素結合中のプロトン運動と電子系がカップルするプロトン‐電子相関系は、温度や圧力、電場などの外場に対するプロトン(電子)応答を介した電子(プロトン)物性の制御が期待されることから、近年非常に注目を集めている。本研究では、プロトンの脱着に伴い電子構造が大きく変化する(分子内でプロトンと電子が相関する)金属錯体に着目し、相関系の実現を目指した。 当該年度では、特に伝導電子とプロトンが相関する系の実現という観点から、分子全体にわたる広いπ共役系とルイス塩基性カルボニル酸素を持つナフトキノン配位子を有するニッケルジチオレン錯体に着目した。さらに、DFT計算から配位子に結合したプロトンの脱着が錯体の電子構造を大きく変化させることを見出した。錯体の特徴であるルイス塩基性カルボニル酸素に着目し、新規に合成した錯体と水分子を共結晶化することで水分子を含む分子性結晶の作成に成功した。単結晶X線構造解析から、錯体がπ積層カラムを形成し、π積層カラムと水分子の1次元水素結合ネットワークが水素結合を形成していることを明らかにした。直流四端子法による電子伝導度測定、電子ブロッキング電極を用いた交流インピーダンス測定から、本錯体がプロトン‐電子混合伝導を示す初のπ平面中性金属錯体であることを明らかにした。続いて、中心金属をより大きな白金に置換することで、化学圧を用いた混合伝導体の物性制御を目指した。得られた白金錯体の単結晶X線構造解析から、ニッケル錯体に比べて格子が膨張していることを見出し、負の化学圧が印加されていることを確認した。また、交流インピーダンス測定から、室温プロトン伝導度が2桁向上することを明らかにし、プロトン‐電子混合伝導体において化学圧によるプロトン伝導の制御に成功した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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