Regularity Lemmaの禁止部分グラフ条件への適用
Project/Area Number |
20J15332
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 12040:Applied mathematics and statistics-related
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
前澤 俊一 横浜国立大学, 環境情報学府, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2020: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | Regularity Lemma / 禁止部分グラフ条件 / 密グラフ / 次数条件 / 全域木 |
Outline of Research at the Start |
Regularity Lemmaとよばれるどんなグラフもほぼランダムグラフに近似できることを示した定理があり,近年,この定理を用いて重要な未解決問題が解かれている.しかし,この定理は禁止部分グラフ条件という特定の構造をグラフが持たないという条件に対しての適用手法が確立されていない.したがって本研究では,Regularity Lemmaを禁止部分グラフ条件に対して適用する方法を確立する.一般の場合から着手すると困難であると考えられるため,4頂点からなるクローとよばれるグラフを禁止した場合の適用手法から考える.本研究が成功することで,いくつかのグラフを禁止したグラフを対象とした予想の解決に役立つ.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はRegularity Lemmaを禁止部分グラフ条件が課されたグラフに適用することである.目的達成のため,本研究では密なグラフや禁止部分グラフ条件の課されたグラフの構造解析をすることから始めた.そして,本研究に関係深い成果を5本の論文にまとめ,査読ありの国際誌に投稿した.そのうち3本が本年度にすでに受理されている.以下,本研究に関係する結果の詳細を記載する. 1つ目の結果はグラフが与えられたkに対して超過数を制限した全域木をもつためのclosure型の次数条件に関する結果である.全域木の超過数は各頂点から出る辺の本数を制限した全域木の拡張研究である.そして,closure型の次数条件はOre型やFan型とよばれるいくつかの次数条件よりも弱い条件である.以上のことから本研究は概念としての拡張性,条件として弱さから非常に有用な結果といえる.本研究結果は国際誌Graphs and Combinatoricsに受理されている. 2つ目の結果はグラフがk-leaf-connectedであるための次数条件に関する結果である.k-leaf-connectedという概念はハミルトン連結とよばれる巡回セールスマン問題とも深遠な関係にある概念の拡張である.本研究では既存の次数条件よりも弱い次数条件でグラフがk-leaf-connectedであることが保証できることを示した.本研究結果は国際誌Discrete Mathematicsに受理されている. 3つ目はグラフが全域k-treeをもつための禁止部分グラフ条件に関する結果である.これは2010年に太田・杉山によってなされた全域k-treeをもつための禁止部分グラフペアの予想を肯定的に解決したものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Regularity Lemmaとは,どんなグラフもランダムグラフに近似できることを示した定理であり,近年,この定理を用いて重要な未解決問題が解かれている.特に,頂点数に比べて辺の本数が多い密なグラフに対してうまく機能している.その一方で,いくつかのグラフを禁止したグラフに対してはうまく適用する方法がいまだに確立されていない.そこで本研究では,Regularity Lemmaの禁止部分グラフ条件への適用手法やそれに関連する研究成果を得ることを目的としている.本研究では,密なグラフに含まれる構造解析などで一定の多くの成果が得られている.また,禁止部分グラフ条件の課されたグラフの構造解析も進んでおり,実際に2010年に太田・杉山によってなされた予想を解決し,国際誌Journal of Graph Theoryに投稿した.2人のrefereeからは受理に値するとコメントをいただいており,受理も近いと考えられる.以上のことから,本研究はおおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,密なグラフや禁止部分グラフ条件を課されたグラフの構造解析を行った.今後はこれらの知見を生かして,Regularity Lemmaの禁止部分グラフ条件への適用を進めていく.特にグラフの局地的な密度に関する指標について注目していく.この指標は任意の頂点数kのグラフを誘導部分グラフに含むための条件としてRodlが導入したものであり,Regularity Lemmaとも深遠な関係にある.また,密グラフや禁止部分グラフ条件を課されたグラフの構造解析についても今後も続けていく.
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)