細菌識別機能を有するボロン酸型蛍光プローブ複合体の開発
Project/Area Number |
20J20891
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 34020:Analytical chemistry-related
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
三ヶ木 彩芽 上智大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2020: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 細菌認識 / 糖認識 / ボロン酸 / デンドリマー / 分光分析 |
Outline of Research at the Start |
近年、抗生物質の濫用と多剤耐性菌の出現が世界的な課題となっており、簡便かつ迅速な病原体の識別法が求められている。 本研究では目視による短時間での病原体識別を目指すことで、この課題の解決に取り組む。即ち、細菌を選択的に認識して凝集・色相変化させる、新たな蛍光分子複合体を開発する。具体的には、細菌表面の糖鎖をターゲットとした複合体を設計・合成した後に、優れた分子については菌溶液を用いて認識機能を評価することで、臨床応用が可能な実践的手法の確立を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、蛍光と凝集作用を持つ分子プローブを設計・新規合成することで、高感度かつ選択的な細菌識別を目指す。細菌認識部位には、細菌表面の糖鎖と結合するボロン酸を採用している。令和3年度までには、樹状高分子であるデンドリマーの表面にボロン酸とその他置換基を修飾した分子プローブを合成し、高感度な細菌認識や、広範なpH条件での細菌認識に成功した。 令和4年度は、1)細菌表面上に存在する認識ターゲットの特定、2)ボロン酸2種を用いた細菌認識力の評価に取り組んだ。 1)について、グラム陽性菌選択性を示すボロン酸プローブが、グラム陽性菌表面のリポタイコ酸を認識していることを初めて明らかにした。また、プローブの表面電荷を調節すると細菌選択性が変化し、グラム陰性菌である大腸菌の特定の株に選択性を持つようになることも示された。 2)の評価に関しては、従来用いてきたフェニルボロン酸と、新たに選定したベンゾキサボロールの2種を比較した。ベンゾキサボロールを修飾したプローブは、フェニルボロン酸修飾プローブよりも顕著なグラム陽性菌選択性を示した。また、これまでフェニルボロン酸単体では不可能だった酸性条件下でも細菌認識に成功した。さらに、凝集体の大きさの差異を利用してグラム陽性菌のみを濾別し捕集することにも成功した。 これら1)、2)の結果から、ボロン酸修飾デンドリマーは表面電荷に応じて細菌選択性を調節出来ることが示された。また、グラム陽性菌選択性を与える場合にはプローブはリポタイコ酸を認識しており、ボロン酸の酸性度を変えることで認識力を強化出来ることも明らかとなった。以上の成果より、本研究課題のボロン酸修飾デンドリマーは高機能かつ多様な細菌を認識できる新たな手法として大きく期待出来る他、凝集体形成に基づく新たな細菌捕集法としても応用を見込めることが示された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(17 results)