高ネール温度を有する新規bcc型反強磁性合金の開発
Project/Area Number |
20J21278
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 26010:Metallic material properties-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊東 達矢 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2020: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 規則-不規則変態 / 反強磁性合金 / 相変態 |
Outline of Research at the Start |
近年のスピントロニクスの発展に伴い、反強磁性材料が新たな磁性材料として注目を集めている。反強磁性材料を室温で応用するためには、ネール温度(磁気特性が失われる温度)が室温よりも高温である必要がある。申請者は予備実験により、Mnを含む安価な元素を組み合わせた合金が、ネール温度の高い反強磁性材料である可能性を見出した。しかし、その合金相は室温で不安定であるため、これまで磁気特性に関するデータが得られていない。そこで本研究では実験と計算を組み合わせて合金相の安定化を目指した合金設計を行い、それらの磁気特性を調査する。そして得られた基礎的なデータを基に、室温でも応用可能な新規反強磁性合金の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、Cu-Mn-Al合金の磁気特性について詳細な評価を行った。2021年度末に実施した中性子回折実験で得られたデータの解析を行い、当初の目的であるB2構造を主要な相とする合金が反強磁性であることを確認した。測定されたネール温度について他の合金系の文献値と比較を行い、格子定数を小さくする合金設計指針が、ネール温度の高い反強磁性合金を開発するために有用であることを示した。これらの内容について国際学会で発表を行った。 これらに加え、本研究を遂行する過程で発見したエネルギーロスの小さな機能性材料として期待されるPd-Mn基合金について、低温で時効熱処理を施した試料の結晶構造や磁気特性に関する詳細な調査を行なった。その結果、時効熱処理によりB2構造からL21構造へと規則化が生じていることが分かった。原子間距離に基づいた考察により、規則-不規則変態が磁気特性に対して影響を与えていることが示唆された。本合金は外部磁場を印加することで結晶構造に変化が生じ、磁場誘起ひずみが得られることから、エネルギーロスの小さな磁気アクチュエーター材料としての応用が期待できる。これらの研究成果をまとめて「Advanced Science」に投稿し、2023年5月に受理された。 以上の研究により、Mnを含む合金系の規則-不規則変態や格子定数が磁気特性に対して与える影響を明らかにするとともに、新規反強磁性合金および省エネルギーな機能性材料を発見することが出来た。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)