Project/Area Number |
20J21312
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 林介 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 強相関電子系 / ディラック半金属 / 量子極限 / 擬一次元 / 巨大磁気抵抗 / 電荷密度波 |
Outline of Research at the Start |
近年、トポロジカル半金属と呼ばれる物質群における、相対論的な方程式に従う準粒子(ディラック・ワイル電子)による物性に大きな注目が集まっている。これまでは電子間の相互作用が弱い領域を中心に研究が行われてきたが、本研究では強相関領域に着目した。ディラック・ワイル電子に強い電子間相互作用が働くことで、新規な物性が現れると期待される。強相関トポロジカル半金属であると提案されているペロブスカイト型イリジウム酸化物CaIrO3を対象として、その輸送特性や電子状態を明らかにすることによって、強相関領域におけるトポロジカル電子相の包括的な理解を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
電子相関効果の強い領域におけるディラック電子の振舞いを明らかにするために、強相関ディラック半金属であるペロブスカイトCaIrO3を対象として研究を行った。本年度は、特に強相関ディラック電子の量子極限における振舞いに着目した。単結晶CaIrO3を用いて、磁場を結晶軸のa軸とc軸にかけた際の縦磁気抵抗(B//I)を測定した。B//aの配置においてディラック電子は6 T程度で量子極限に到達し、10 T以上において抵抗は急激に増大し、18 Tピークを取る巨大な磁気抵抗を示した。この巨大磁気抵抗がディラック電子の量子極限における密度波の形成と関連している可能性については、本年度出版された論文[R. Yamada, npj Quantum Mater. (2022)]にまとめた。 一方で、B//cの配置では、ディラック電子はより低磁場の1 T付近で量子極限に到達し、磁気抵抗は6 T付近でピーク構造を示した。磁気抵抗比の大きさはa軸の場合と比較して一桁程度小さな値となっており、B//cの量子極限では密度波の形成が強く抑制される可能性が示唆される。さらに、理化学研究所との共同研究により、CaIrO3のラインノード近傍のバンド構造のランダウ準位の数値計算を行った。その結果、量子極限における磁気抵抗の異方的な振舞いが、量子極限における電荷密度波のモデルを用いて定性的に説明できることがわかった。 以上の研究により、強相関領域におけるディラック電子は磁場による閉じ込め効果によって電荷/スピン密度波を引き起こす可能性が明らかになった。本研究で見出されたディラック電子による秩序相の形成は、電子相関効果により新奇トポロジカル相が生じる可能性を示唆しており、今後の本分野の研究の発展に寄与すると考えられる。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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