面分光ユニットSWIMS-IFUの開発とそれを用いた近傍LIRGの観測的研究
Project/Area Number |
20J21493
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 16010:Astronomy-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
櫛引 洸佑 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 面分光 / 近赤外線天文学 / 超精密切削加工 / 銀河形成進化 |
Outline of Research at the Start |
近傍の超/高光度赤外線銀河(Ultra/Luminous Infrared Galaxies:U/LIRG)を空間的に分解して観測することは、その活発な星形成活動の原因を明らかにし、星形成活動が活発であった過去の宇宙(赤方偏移~1-2)の理解にもつながる。ダスト減光の影響が強い近傍U/LIRGの詳細な物理情報の取得には、二次元の視野全体にわたって分光情報を取得する面分光観測を減光の影響が少ない近赤外線(0.9-2.5μm)で行うことが有効である。本研究では近傍U/LIRG全面を一度に観測できる世界最大視野の近赤外線面分光ユニットSWIMS-IFUの開発とそれを用いた近傍U/LIRG観測を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
面分光は天体像を分解して並べなおすことで二次元の視野全体にわたる空間分解した分光情報を取得する観測手法である。本研究ではTAO6.5m望遠鏡の近赤外線観測装置SWIMSに面分光機能を追加するイメージスライサー型の面分光ユニットSWIMS-IFUの開発を進めてきた。 2022年度は2022年3月に実施した国立天文台ハワイ観測所すばる望遠鏡での試験観測データによるSWIMS-IFUの性能評価を進めた。主に結像性能、効率、迷光の3点について詳細な評価を行った。結像性能はSWIMS-IFU内の二つの結像面について、どちらも設計とよく一致する結果が確認された。一方で効率は波長に応じて50-75%の値であったが、0.9-1.5umの波長範囲では期待される値とよく一致するのに対して、1.5-2.5umの範囲では期待される値の0.8-0.86倍という低い値となった。この原因は現状明らかになっておらず、各光学素子の効率測定など詳細な調査が必要となる。また、試験観測時には2.1umより長波長側に熱放射が原因と考えられる迷光が見られたが、光線追跡による解析を行い原因を明らかにし、対策を講じることで改善することに成功した。以上の評価からSWIMS-IFUはほぼ設計通りに完成したことが確認された。これは我々の超精密加工を活用した光学素子開発および精密組み上げの技術が複雑なイメージスライサー型の面分光ユニットを設計通りに開発できることを実証した重要な結果である。 また、SWIMS-IFUの二度目の試験観測と初の科学観測が2022年12月に予定されていたが、マウナロア山の噴火という天災により有効なデータの取得ができなかった。 今後はTAO6.5m望遠鏡での科学成果創出へ向けて、新たな面分光ユニットの開発を進めていく。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(16 results)
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[Presentation] Development status of a near-infrared integral field unit SWIMS-IFU2022
Author(s)
Kushibiki, K.; Ozaki, S.; Takeda, M.; Hosobata, T.; Yamagata, Y.; Morita, S.; Nakagawa, K.; Saiki, T.; Ohtake, Y.; Tsuzuki, T.; Mitsui, K.; Okita, H.; Motohara, K.; Takahashi, H.; Konishi, M.; Kato, N. M.; Koyama, S.; Chen, N.; Homan, S.; Yasuda, A.
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SPIE Astronomical Telescopes + Instrumentation 2022
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[Presentation] Diamond machining of two-in-one optical element including slice mirror array for near-infrared integral-field spectrograph2022
Author(s)
Takeda, Masahiro; Kushibiki, Kousuke; Hosobata, Takuya; Yamagata, Yutaka; Morita, Shinya; Saiki, Takao; Nakagawa, Keiichi; Ohtake, Yutaka; Motohara, Kentaro; Ozaki, Shinobu; Tsuzuki, Toshihiro; Takahashi, Hidenori; Konishi, Masahiro
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SPIE Astronomical Telescopes + Instrumentation 2022
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[Presentation] 近赤外線面分光ユニット SWIMS-IFUの組み上げと実験室での性能評価2022
Author(s)
櫛引洸佑 (東京大学), 尾崎忍夫 (国立天文台), 竹田真宏, 細畠拓也, 山形豊 (理化学研究所), 森田晋也 (東京電機大学), 大竹豊 (東京大学), 都築俊宏 (国立天文台), 本原顕太郎 (国立天文台, 東京大学), 高橋英則, 小西真広, 小山舜平, 加藤夏子, 陳諾, 穂満星冴 (東京大学)
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[Presentation] 近赤外線面分光ユニットSWIMS-IFU開発状況:スライスミラーアレイ+PO0 の超精密切削加工と X 線 CT による評価2021
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櫛引洸佑 (東京大学), 細畠拓也, 竹田真宏, 山形豊 (理化学研究所), 森田晋也 (東京電機大学), 大竹豊 (東京大学), 尾崎忍夫, 都築俊宏 (国立天文台), 本原顕太郎 (国立天文台, 東京大学), 高橋英則, 小西真広, 小山舜平, 加藤夏子, 中村洋貴, 陳諾, 穂満星冴 (東京大学)
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[Presentation] 近赤外線面分光ユニットSWIMS-IFU :光学素子の完成と実験室での組み上げ、性能評価2021
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櫛引洸佑 (東京大学), 本原顕太郎(国立天文台,東京大学), 尾崎忍夫(国立天文台), 山形豊, 細畠拓也, 竹田真宏(理化学研究所), 森田晋也(東京電機大学), 大竹豊(東京大学), 都築俊宏(国立天文台), 高橋英則, 小西真広, 小山舜平, 加藤夏子, 陳諾, 穂満星冴(東京大学)
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[Presentation] 近赤外線面分光ユニットSWIMS-IFUの超精密切削加工による開発2021
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櫛引洸佑 (東京大学), 本原顕太郎(NAOJ,東大), 尾崎忍夫(NAOJ), 山形豊(理研), 細畠拓也(理研), 竹田真宏(理研), 森田晋也(東京電機大), 中川桂一(東大), 佐伯峻生(東大), 大竹豊(東大), 都築俊宏(NAOJ), 三ツ井健司(NAOJ), 高橋英則(東大), 小西真広(東大), 小山舜平(東大), 加藤夏子(東大), 陳諾(東大), 穂満星冴(東大)
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[Presentation] 近傍LIRGの近赤外線複数輝線から探る銀河相互作用の影響2020
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櫛引洸佑 (東京大学), 本原顕太郎 (国立天文台, 東京大学), 小西真広, 高橋英則, 加藤夏子, 寺尾恭範, 中村洋貴, 陳諾 (東京大学), 沖田博文, 越田進太郎, 小山佑世, 田中壱 (国立天文台ハワイ観測所), 吉井譲 (東京大学, アリゾナ大学)
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