Project/Area Number |
20J21818
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 28030:Nanomaterials-related
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新留 嘉彬 九州大学, 工学府, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | カーボンナノチューブ / 近赤外発光 / 欠陥 / ポリマー / 血清アルブミン / 分子認識 / 励起子 / ソルバトクロミズム / ドープ / 化学修飾 / 分子構造 |
Outline of Research at the Start |
単層カーボンナノチューブ (SWNT) は、直径約1 nmと長さ数100 nmの一次元構造を持つナノカーボン材料である。近年、SWNTに対して、分子を化学的に導入した局所化学修飾SWNT (lf-SWNT) が一般的なSWNTよりも向上した近赤外発光特性を示すことが報告された。 本研究では、この発光特性が溶媒や吸着分子で構成された近傍環境に応じて敏感に変化する挙動に着目し、その特性変化のメカニズムを解明し、そこから得られる知見をもとに高感度な近赤外発光バイオセンシングプローブ材料開発を行う。本材料開発がナノ材料の新規機能を開拓し、バイオ/医療技術の発展に貢献できると期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
単層カーボンナノチューブ (SWCNT) に、化学修飾を用いて欠陥ドープした局所化学修飾SWCNT (lf-SWCNT) は、近赤外域に高輝度な欠陥発光を示す。前年度は、lf-SWCNTのドープサイトに対して、マクロなサイズを有するタンパク質を対象とし、その吸着が導く誘電環境変化に基づく発光波長シフトを用いた新たなタンパク質の検出機構を構築した。本知見は、従来の未修飾SWCNTで用いられてきた検出原理と異なる機構に基づいたlf-SWCNTの近赤外センシングプローブ利用の可能性を示した。一方で、実用化のための課題として、限定的な知見に留まっている欠陥発光の環境応答の詳細な理解と生体試料から医学的に有用な機能性タンパク質を検出する技術への展開が挙げられる。 令和四年度はlf-SWCNTの周囲環境を構成する被覆分子とドープサイトの相互作用を系統的に検証するため、lf-SWCNTを被覆するビニルポリマーの化学構造の違いと欠陥発光波長変化の相関性を評価した。その結果、ドープサイトでは化学修飾に基づく電子状態の偏りによってポリマーとの間に強い相互作用が働き、被覆するビニルポリマーの側鎖構造の物性の違いに応じて欠陥発光が明瞭な波長変化を示すことを明らかにした。 lf-SWCNTを用いた機能性タンパク質の検出系開拓を目指し、腎疾患等のバイオマーカーである血清アルブミンと特異的に結合する長鎖脂肪酸をlf-SWCNTに導入する設計を行った。その結果、本材料は生理食塩水ならびに血清中の血清アルブミンの存在に応答して発光波長シフトを示し、lf-SWCNTが生体環境中の機能性タンパク質検出プローブとなる知見を得た。 以上のように、lf-SWCNTが示す欠陥発光の環境応答の特異性を見出し、機能性タンパク質検出に向けた技術開発を行った。以上の成果はナノ物性を基にした次世代医療診断技術等に貢献すると期待される。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|