Project/Area Number |
20J22919
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大橋 智典 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2020: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 含水マグマ / X線回折 / 中性子回折 / 第一原理計算 / 高温高圧 / 分子動力学計算 / 液体構造 |
Outline of Research at the Start |
地下数百kmでは含水マグマの存在が地球内部観測から示唆されている。マグマの地球内部での重力的安定性を本質的に理解するためには、その微視的構造の決定が必要である。常圧から約6GPaの圧力では、マグマはその化学組成と含水量によって多様な圧縮挙動を示し、高圧下での物性も多様だと期待される。 本研究では、マグマの網目構造と水素の結合形態の圧力依存性に注目する。約6GPaまでの高温高圧X線・中性子回折実験と第一原理計算を行い、 (1)マグマの圧力誘起構造変化が化学組成によってどのように異なるか、 (2)無水マグマと含水マグマで構造の圧縮挙動にどのような差異が見られるか、 を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地下数百kmでの存在が地球物理学的観測から示唆されている、含水マグマの構造決定の実験と数値計算による解明を目指している。しかし、高圧下の含水マグマ中の水素位置やその構造上の役割を実験研究例はなく、未解明の問題が多い。そこで、本研究では常圧から約6-10万気圧における含水Na珪酸塩メルト(マグマの模擬組成)の構造を放射光X線回折実験(XRD)と中性子回折(ND)実験から調べた。より詳細な構造の情報を得るため、第一原理分子動力学(FPMD)計算も行った。 結果、XRD・ND実験のデータから、H-O距離が圧縮により伸びると判明した。また、無水マグマのSi-Si距離が圧力増加に伴い収縮したのに対し、含水マグマでは殆ど一定であった。これは水によるSiO4四面体のなす網目構造の非重合化に起因する圧縮メカニズムの差異であると判明した。 またFPMD計算の結果から、(1)圧縮下では、低圧条件でNaの占めるドメイン構造が優先的に圧縮し、ある程度圧力が高くなるとその圧縮メカニズムが飽和し、より圧力に対する構造の応答が鈍くなった。このような圧縮機構の変化は、無水・含水マグマの両方において熱力学的な量の圧力依存性にも反映されていた。(2)圧縮による反応は、SiO4四面体の重合反応と-OH基と近くのSiO4四面体が近づく反応によって、NaをSiO4四面体付近から遠ざけるものであった。(3)SiO4四面体のなす網目構造は水によって非重合化すると知られているが、その構造変化は網目構造の局所的な配向秩序の喪失としてより一般的に理解できた。 本研究の成果は、マグマの圧力・含水量による構造変化のメカニズムを詳細に記述したばかりでなく、Mg珪酸塩など他の代表的な組成のマグマの構造物性との系統的な比較をも容易にした。この意味で、本研究はマグマの構造を統一的に理解する上での意義も大きいと期待される。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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