酸化物イオンの固相レドックスとナトリウムイオン電池への応用
Project/Area Number |
20J23089
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 36020:Energy-related chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土本 晃久 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2020: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ナトリウムイオン電池 / リチウムイオン電池 / 電子状態解析 / 機械学習 / 正極材料 |
Outline of Research at the Start |
低炭素社会を実現に向けて、再生可能エネルギーの電力系統への接続に資する大型蓄電技術の発展が急務である。しかし、現行のリチウムイオン電池については、リチウムの枯渇・価格高騰が懸念されており、同じアルカリ金属であり汎用元素であるナトリウムで置換したナトリウムイオン電池の実用化が望まれている。本研究は、酸化物イオンの固相レドックスを利用した正極活物質の高エネルギー密度化によって、実用化を妨げる主要因である、低いエネルギー密度の克服を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究開発は、持続可能な社会の実現に向けた再生可能エネルギーの電力系統への接続に資する大規模蓄電技術の発展を目指し、酸化物イオンの固相レドックスを用いたナトリウムイオン電池正極材料の高エネルギー密度化を行っている。 酸化物イオンの固相レドックスを用いた正極材料では大きな容量が得られるものの、副反応によってエネルギー効率やサイクル特性が低下する点が課題だった。これまでの研究でエネルギー効率低下の要因を定性的に明らかにしたが、定量的な設計指針の確立には至っていない。 そこで本年度は、酸素レドックス正極材料において様々な条件が充放電特性へ与える影響を包括的に解明するため、機械学習を用いた定量的な分析を行った。積層様式による多形を持つナトリウム層状酸化物に代わり、リチウム層状酸化物をモデル化合物として選択した。 具体的には昨年度合成を行ったリチウム層状化合物群に関して、様々な電流値とカットオフ電圧を用いて長期サイクルの定電流充放電試験を行い、充放電特性を予測する機械学習モデルを構築した上で説明変数の重要度と予測値への影響を分析した。初期サイクルのエネルギー密度を予測するモデルにおいては、テストデータに対する決定係数が0.975となり高い予測精度を示した。また重要度と予測値への影響の分析から、リチウム含有量の制御が最も重要であることが示された。長期サイクルにおけるエネルギー密度の予測においては初期サイクルと比較して特に遷移金属比率の重要度が増加し、Co比率の増加が良好なサイクル特性の実現に重要であると示唆された。以上の結果から、長期サイクルにおいて酸素レドックス正極材料を安定的に活用するためにはリチウム量の細かな制御と高いCo比率が重要であると結論づけられた。実験データを活用した機械学習予測モデルによる材料探索は他材料系への展開も期待される。以上の研究成果を学術誌に原著論文として報告した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)