Project/Area Number |
20K00024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
城戸 淳 東北大学, 文学研究科, 教授 (90323948)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | カント / 観念論論駁 / 時間 / デカルト / 超越論的観念論 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、カントの『純粋理性批判』第2版(1787年)における「観念論論駁」を歴史的かつ体系的に解釈する総合的研究である。歴史的解釈としては、①近代哲学史およびカント哲学発展史からの歴史的読解、②同時代のカント批判とカントの遺稿での再定式の検討、③現代哲学における懐疑論論駁からの逆照射、という三つ切り口から、観念論論駁を読み解く。体系的解釈としては、①超越論的観念論との整合性の如何、②感性論などのカントの時間の哲学との関連性、③自己触発論などの新たな自己認識論への寄与、という三つの観点から、観念論論駁の哲学的・事象的な解明をめざす。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、カントの『純粋理性批判』第2版(1787年)における「観念論論駁」を歴史的かつ体系的に解釈する試みである。①歴史的解釈としては、近代哲学史およびカント哲学発展史の観点から観念論論駁の形成と展開を跡づけたのち、同時代のカント批判などの諸文脈のなかに観念論論駁とその後の遺稿における新定式を位置づけて読み解き、さらに現代哲学における観念論論駁の哲学的意義を測定する。②体系的解釈としては、超越論的観念論と観念論論駁との整合性を検討するとともに、観念論論駁を時間についてのカントの思索に関連づけ、さらには観念論論駁をカントの自己認識論の一部として解読するものである。 2023年度は予定の最終年度であり、過年度の研究にもとづいて上記の研究計画を総括的に遂行し、観念論論駁を主題とする研究成果を公表すべく努力したが、いまだ研究は道半ばであり、2024年度にまで研究期間を延長することにした。 研究の途上での2023年度の副産物としては、カントの超越論的観念論を井上哲次郎の「現象即実在論」と対比する比較思想的な研究発表や(論文として近刊予定)、ハイデガーのカント解釈に照らす形でカントの超越論的観念論を再考することを試みた書評論文などがある。また、アンチノミー章における「懐疑的方法」について考察を進め、観念論論駁と絡めて時間と自由という主題についても研究を着手したが、これらについては2024年度中に成果として発表される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究対象となる観念論論駁のテクストが難解であり、かつ研究計画が膨大なものであることが研究の遅れの主要な原因である。くわえて、2024年はカント生誕300年にあたり、日本哲学会、日本カント協会でシンポジウムの提題者をつとめることになり、与えられたテーマにそくして準備にあたるために、この科研費テーマの研究にあてる時間が削られたこともある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の内容にとくに大きな変更はなく、期間を延長した上で、完遂したいと考えている。
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