「嶺南心学」研究の基盤構築――明代心学史像の再検討のために――
Project/Area Number |
20K00055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01020:Chinese philosophy, Indian philosophy and Buddhist philosophy-related
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
鶴成 久章 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (20294845)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 嶺南心学 / 湛若水 / 陳献章 / 王守仁 / 陽明後学 / 書院 / 明代心学 / 明代思想史 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、陽明学偏重であった従来の明代心学研究の枠組みを一旦解体し、当時の資料から嶺南(広東・広西等の地域)の心学者群を博捜した上で、思想分析のために必要となるデータを整理し、「嶺南心学」を総合的に考察するための基盤を構築する。そして、「嶺南心学」の思想家の思想活動の実態と心学思想の特色の解明を通じて、陽明学の位置づけを相対化し、旧来の明代心学史像に新たな視点から再検討を加えようとするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに得られた成果を踏まえ、研究目的に沿って「嶺南心学」の特色に関する考察をさらに深めることができた。その具体的な内容としては、陳献章、湛若水を中心とする嶺南の心学者たちの明代思想史上の位置付けの再検証、陽明後学の思想家と湛若水との思想的交流関係の分析を通して得られた知見を総合的に考察した結果、晩年の湛若水の思想活動においては、師説(白沙学)の喧伝と自説(「随処体認天理」)の墨守といった「守り」の姿勢が顕著で、独自の心学思想の深化や学説の発展はほとんど見られないことが明らかとなった。ただ、その一方で、王守仁逝去後に約三十年も講学活動に従事することができた湛若水は、門人の総数、勢力においては一世を風靡するものがあったのは事実である。そのような事実関係を精細に整理・分析することにより、「(仮題)明代における嶺南心学流行の背景――王守仁逝去後の湛若水と陽明後学――」を執筆して学術誌に掲載予定であったが、提出の直前に先行研究の見落としに気づいたため、一旦取り下げて再投稿に向け現在改稿作業を行っている。 また、湛若水の思想活動と明嘉靖年間以降の書院の興隆との関係についても、新たな知見が得られた。その一部は、「韓夢鵬『新安理学先覚会言』訳注 其の三」の中で関連資料の訳注として発表したが、それ以外の内容についても論文で発表する見通しが立った。 なお、本研究計画の実施によってこれまでに得られた成果の一部は、2023年2月に刊行した『明代儒教思想の研究―陽明学・科挙・書院』の中で公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた国内外における調査が十分に実施できず、特に海外(広東、台北等)における文献調査・現地調査は一度も実施できなかった。そのため、様々な代替手段を講じることで研究を進めたが、それだけではどうしても限界があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に、研究計画通りに進める予定であるが、今年度は、海外における文献調査・現地調査を実施したいと考えている。しかしながら、海外での調査については、現時点ではいまだ情勢が不透明なため、今後の状況に応じて、研究の手法を変更する必要が生じてくることも想定している。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)